誰に頼まれたわけでなく、自分で勝手に作った作品を紹介するページ



独断と偏見の矢印(1984)絵本のようなもの…

身近な存在の「矢印」や「指示マーク」をテーマに、絵本のようなものを作ってみた…。
前半はマジメに制作しているが、後半は少しやけになっているかもしれない…。

そのころ所属していた日本タイポグラフィ協会の東部研究会で発表した(タイポグラフィクス・ティー 60号に掲載)。



男女を区別するピクトグラム(1980)
当時の原図が見つからず、記憶を頼りに新しく描き起こした…


トイレなどで男女の区別に使われる記号に疑問を感じていた。
ピクトグラムとかアイコンと呼ばれるこういう図形は、文字を理解できない人のためにあると思うが、衣服の形や色で区別するのは欧米文化の押し付けのような気がして…。

そこで、生まれたときから誰にでも付いている身体の一部(性器)を、卑猥にならないようにデザインしてみた。
どこの国のどんな民族でも裸になれば、そこに同じモノがついているはず…。
これなら、どこの国の人でも子供でも大人でも、理解できるんじゃないかな…。
そういう考えで作ってはみたが、これまで発表するチャンスがなかった……。

後日、原図が見つかった。当時はだいぶ太くデザインしていたのだな…。



写真植字における詰め印字用指定スケール(1979)
赤文字の台紙と黒文字の透明フィルムで1セット

発明されてから長いあいだ、写真植字機(以下、写植機)にはモニター画面が存在しなかった。
写真技術を使った機械なので、印字した印画紙を暗室で現像するまで結果を確認することができない仕組みだった。
ということで文字間を詰めた印字などは、とても難しかった。
写植機メーカーから詰め印字専用文字盤も販売されていたが、「くい込み処理」はできなかった。
ベテランのオペレータが長年の経験を頼りに勘で詰め印字することもあったが、もし重なって印字されていたりしたら再印字となり、二度手間になってしまう…。

そういう問題を解決するために、このスケールを考案した。
これと同様の製品もいくつかあったが、面倒くさい換算が必要だったり印字サイズごとのスケールが必要だったりで、普及しているとはいえない状況だった。

●特長
このスケールから得た数値は…
・すべての印字級数(サイズ)にそのまま使用できる
・長体・平体・斜体のライン揃え…などでも関係なく、そのまま使用できる

●ツメ数値の調べ方
赤スケール(拡大図)に黒スケール(透明)を重ね、詰めたい文字同士を並べ希望のツメ具合にする(下の動画)。


その時、赤と黒の文字の中心線が何目盛りずれたかを調べる(1目盛り=2/16=2)。
上の「し」と「て」の動画サンプルの場合、目盛り3個半なので7となる。
実際の指定用原稿は、こんな感じ…

●印字方法(1/16送り機能を利用)
写植機は通常1文字印字すると全角分(ベタ)送られるので、次の文字を印字する前に詰める数値を1/16ボタンで戻す。
(「サ」を印字したあと7/16戻し「イ」を印字、7/16戻して「ン」を印字……と続ける)
実際に印字された結果

●タイプラボでは、所有している写植書体すべてのスケールを作り、モニター付き写植機を導入するまで、これを使って見出し用文字の詰め印字をしていた。

・1981年に実用新案出願したが、その頃にはモニター画面のついた写植機が普及し始め、目で確認しながら詰め印字ができるようになり、このスケールの必要性はなくなってしまった…。
詳しい出願内容に興味のある人はコチラで見られます。



写植による表現(1974〜1976)

男の顔

写植機の印字機能を使って、絵とか描けないかと模索した。

1枚目は、オードリー・ヘップバーンの紹介記事を使って彼女の顔を明朝書体で表してみた。(文章内に重大な誤字があるので、あまり真剣に読まないように…)

2枚目は、記号文字盤を使って女性の顔を作ってみた。(雑誌の写真とか利用したと思う)

3枚目は、ジュリー(沢田研二)の顔だが、JULIEというロゴ2種を作り、特殊文字盤化して印字した(右側の目の部分を拡大)。

4枚目は、年賀状用に「あけましておめでとう」で「辰」の文字を表した。

5枚目は、この手法での最初の作品。

(5点すべての写植印字は大河内秀子)



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