マック仕事人・21人のアーティストたち(1997年2月グラフィック社刊)に収録されたものに加筆訂正しました
私が過去にデザインし発表(1976年)した、かな書体「えれがんと」を、どんな書体メーカーの明朝系漢字書体にも、太さや大きさをぴったり合わせて提供できるように、1994〜1996年にリデザインしデジタルデータベース化しました。当時の作業工程をここに公開します。
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2 私が作者だからこういうことが可能だが、個人使用目的以外での第三者のこのような行為は許されないので気をつけて下さい。 |
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必要なだけの字数がデザインできたらPSフォントファイルを作成し、さまざまなサイズ・体裁のテストプリントを出力する(下右図)。 |
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なぜ細い書体のデータを利用するのか? 後でELとUのブレンド作業をする時に、各オブジェクトのポイントの数や階層に違いがあると、うまくいかず面倒なためだ。 |
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しかし両極端の太さの、ELとUから作られた「M」の形状は、かなり混乱しており、そのままでは使い物にならない文字もあるので、1文字づつ丁寧に形とデータを整える(もう一度ELとUのデータを変更することもある)。
最初から「M」を自分で作成したほうが…とも考えられるが、自分がデッサンしたこともないウエイトの文字をソフトウエアが計算で作り上げるのを見るのは、今までの苦労も忘れられるほど楽しい時間なのだ(グレーの線画がELとU、実線がM)。 |
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これで、どんな明朝系漢字書体にでも太さや字面の大きさを、ぴったり合わせた「えれがんと書体」が抽出(下右図)できるデジタルデータベースの完成だ。
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そこで「えれがんとU」を96%縮小し、エレメントに20/1000emの角丸の太さをつけ」マッチさせた(右図、上の行は作業前の状態。下の行がマッチさせたもの)。 |