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1996/04/18〜06/27


タイプミキシング 1996/06/27

 このユーティリティソフトは、Adobe Illustrator 5.0J 上でテキスト部分の漢字・ひらがな・カタカナ・約物・欧文、それぞれを自由な書体で組み合わせられるプラグイン・フィルターです。  クォークエクスプレスやページメーカーなどのDTP専用ソフトでは、かなと漢字の混植機能がありますが、Illustrator には似たような機能がありませんでした。
 プラグイン・フィルターですから、この「タイプミキシング」を Illustrator フォルダ内のプラグインフォルダにドラッグコピーし、Illustrator を起動すれば使えるようになります。

 そして、この機能を使いたいテキスト部分を選択(反転状態に)してから、フィルターメニューからテキスト→タイプミキシングを選ぶと、設定用のダイアログウインドが現われます。
 漢字・ひらがな・カタカナ・約物・欧文それぞれ任意の書体を設定し、OKすれば終わりです。1ブロックのテキストを一度で組み合わせられるので、何度でも気楽に変更し確認ができます。

 「タイプミキシング」はフォントワークス社が1995年秋に、かな書体を発売したときに製品に添付されたものなので、フォントワークス書体のユーザ以外にはあまり知られていない(もっと宣伝したほうがイイと思うヨ)のですが、他社の書体(漢字も含め)でも問題なく使え、Illustratorを多用するデザイナーにはとても重宝なプラグイン・フィルターです。

 フォントワークス社の書体製品を買えば、CDの中に入っている筈ですが、「新文字伝説」を購入するのが一番安上がりでしょう。

ATM専用フォントCD-ROM
「新文字伝説」Version2 (9800円)

フォントワークスジャパン・インフォメーションセンター
092-722-4760
03-5354-7604

 


毛筆新技術? 1996/06/20

 毛筆系の書体が最近色々と製品化されているが、永い歴史のある印刷業界よりも、パソコン業界でデビューした毛筆書体の方がなぜか数が多い。

 印刷業界(プロの世界)では基本的に、大量に印刷配付するためのクセのない汎用性の高い書体が必要だから、開発にとても時間を掛けた洗練された毛筆書体が好まれる。
 それに較べ、パソコンで毛筆書体を使用する人達は、プライベートな肉筆の代用目的で、毛筆書体を使用するようだから、活字や写植の原字からパソコン用に移植された、完成度が高くキレイに整った書体よりも、肉筆感があり少しやぼったい書体を好むようだ。

 開発する側から見れば、書家に発注すれば短期間に原字が完成する毛筆書体は、考え様によっては安上がりな書体な訳だ。
 安上がりな毛筆フォントは洗練されてはいないが、温かみのようなものを感じる。決してウマク書体化されている訳ではない。
 手書き本来の毛筆の味わいを、書体製品として再現するのはかなり大変なことだ。
 プロポーションの問題、文頭・文中・文末などでの字形の変化や大小、墨の含み加減やかすれ・にじみ。そして強弱の問題など。
 フォントの最先端技術の話題では、実現可能な様に思われているが、誰も本気ではやっていないのではないか?
 書家、書体デザイナー、ソフトウエア技術の三者がうまく絡み合って初めてそこそこのものが出来るのだと思う。

 そんな本気の毛筆感覚の再現ではなく、もう少し気楽に毛筆の雰囲気に近付けましょうというのが、今週紹介する「毛筆新技術」だ。
 毛筆はがき印刷ソフト「はがき専科」という商品の説明文から抜粋すると…

●きれいなだけのワープロ文字から
あなただけの個性輝く文字に変化!
●個
人個人、一筆ごとに文字が自己主張している
本当の毛筆です。
●TrueType毛筆フォントに十人十色の筆圧の強弱、墨色の潤渇などのエフェクトを掛けられます。
●同じフォント、同じ文字のはずなのに微妙な「にじみ・かすれ」を演出できます。

 と、とても面白そうなのですが、このソフトは残念ながらWIndows用なのだ。
どんな仕組みで、かすれ\にじみを実現したり、筆圧の強弱に対応しているのか興味が湧く。
 誰か、この「はがき専科」を使った感想を寄せてください。
 アクセス情報を調べると、私のこのページを見にきてくれる人達の約80%はMacを使用していて、15%ぐらいがWindowsユーザです。Windowsユーザのかた、レポートお願い致します。
 また、Mac用の製品も発売すればMacユーザは結構こういうモノが好きですから、売れると思うのだけれど…

製品名 「はがき専科」
開発元 リコー鳥取技術開発(株)
販売元 (株)リコー
価 格 9800円(TrueType4書体イラスト220点付属)

 


1バイトの日本語かな書体2 1996/06/13

 先週の続き… 
1バイトの日本語かな書体は入力に難があるが、最初に発売された¢墨東」などは根強い人気があり、MACでDTPされている雑誌などでは今でも、かなり使用されている。
 使う側にとって便利なことがあるのだ…

●欧文用フォントと基本的に同じ仕様で作成されているため、OSやソフトウエアのアップデートに影響されない。
●2バイト文字に対応していないアプリケ-ションでも使える。
●データ量が小さく、コピープロテクトがないので、違法コピーが簡単にできる。

 最後の、違法コピーが簡単にできる便利さが、私にとってはツライ!
コピープロテクトが施されていないソフトウエアは自由にコピーして使って構わない、と思っている人達がなんと多いことか? たぶん、販売元からの出荷報告の10倍以上が、違法コピーされているのだろう。
 私のところへ、こんな書体が手に入ったよ(買ったのではない)と、私が作者とも知らずに報告する輩まで出てくると本当にイヤになってしまう。
 私がこの方式での書体提供を2書体で中止した理由だ。

 使う側にとっては便利な、1バイトの日本語かな書体。ビジネスとして成功するのだろうか?
 もちろん私は成功するようなモラルのある社会になって欲しいし、そうならなければ誰も新しい書体なんかデザインしなくなる。
 趣味で書体を使う一般の人達より、仕事として書体を使うデザイン・印刷業界の人達のモラルの方がヒドイと私は感じている。
 彼らはデザイン・印刷を商品に経済活動をしているわけだが、商品として販売されているソフトウエアを勝手にコピーして使うことが、画材店でロットリングやインスタントレタリングを万引きしたり、他人の倉庫から紙を盗み、それらの道具や素材を利用して仕事を完成させ、クライアントに納めるとんでもないドロボー行為だと気づいていないのだ。

 フォント・トゥーから発売されたこのシリーズも、そんなモラルの低い人達に違法コピーされないことを祈ります。
残りの「カナシリーズ」の紹介です。
 親しみやすいレタリング、という感じのカタカナと数字のみのシリーズで色々と使い道がありそうです。
仕様・価格・販売元は先週分に掲載してあります

 


1バイトの日本語かな書体 1996/06/06

 まだMacintoshで使える日本語PS書体が2書体しか無かった頃、私が制作、リリースした書体に¢墨東」と「キャピー」がある。
 欧文用フォント作成ソフトを使用し、キーボード上のカタカナ表記に合わせた1バイト書体だ。
 濁音はシフトキーを、半濁音はオプションキーを同時に押せば入力できたし、拗音促音もうまく割り振ることにも成功。ひらがなとカタカナを別々の書体にし、書体変更することで両仮名を切り替える仕組みだった。

 私自身はプログラム的なことは解からないので2バイト対応にできず、この書体専門に文字をキーボード入力をしなければならないのが欠点だったが、横組に関してはプロポーショナルスペースで組まれ、カーニングペアも設定してある、当時としては高機能なフォントだった。
 販売は、いづみやソフトウエア(現ソフトウエアToo)からで、両仮名セットで12000円。いまでもパソコンショップの片隅に売れ残りがあるかも知れない…

 その後、同じキーマップを利用して、静岡のほうのR研究所とかいう会社が、女子高校生達に作らせたポップなフォントを、千円か二千円で販売していたが最近はあまり見かけない。
 文字入力の問題も、普通の2バイトの文書を仮名だけ、この書体の1バイト文字に変更する、ハイパーカードのスタックを作って解決した人もいたようで、R研究所のフォントにバンドルされていたような気がする。

 そのまま、この1バイト書体のキーマップが普及して、かなフォントフォーマットの一種として定着すれば良いなあ、と思っていましたが、しばらくして本格的なPS書体が、あちこちのフォントメーカーから続々と発売されたので、このタイプの日本語かな書体は忘れられていきました。

 ところが、最近このタイプのかな書体が、また発売されました。
フォント・トゥー オリジナル1バイト書体 DESIGNER'Sという製品です。
 現在MacOSがSystem7.xxのため一部キーマップが変更されましたが、あとは当時と同じようです。PostScriptとTrueTypeの2タイプのフォントとAdobe Illustrator3.2JのEPSデータが1枚のフロッピーに収録されています。

 二つのシリーズがあり、今回はシリーズ「墨」を紹介します。
墨で描いた手書き風文字を、風合いを損ねずにデジタル化した究極のディスプレイフォントだそうです。
 欧文、ひらがな、カタカナがそれぞれ別のフロッピーで販売されています。
 販促リーフレットには、Too直営店か全国有名パソコンショップでと書いてありますが、パソコンショップでは、まず見かけませんので直接Tooへ注文するのが確実だと思います。

 1書体(1フロッピー)各3000円

 (株)フォント・トゥー
 TEL 03-3440-1951
 FAX 03-3440-4301

続きは、来週…

 


ギジモ(疑似文?) 1996/05/30

 今週は、ちょっと変わった書体の紹介です。
普通、文字というのは意味や意思を伝達するためにあるのですが、この書体は読まれることを拒否しているのです。
 なぜそんな書体が存在するかというと、

 印刷物制作時に(たとえば新聞広告やパンフレット)、本文の内容が決定していないのだが、完成時のデザインが見たい場合、その本文部分を何らかの方法で、ここにこのぐらいの量の文章が入りますと体裁を作らなければなりません。

 昔は、ペンやロットリングで描いた2本線や、グレーのマーカー(マジックのようなもの)で線を描き、1行分として表していました。
 その後、関係者の想像力が欠如していったためか、もっとリアルに文章をイメージさせようと他の印刷物の文章部分を切り取って貼り込んだり、コピーして使いだしました。
 さまざまな文字サイズ・行間を網羅し編集した専門の本まであったような気がします。

 しかし、そこにリアルな文字が並んでいるとつい読んでしまうのが人間です。あくまでも体裁を整えるためだけに貼った、企画とまったく違う内容の本文を読み取って驚いたり苦言を呈する人もいたのでしょう。一般的ではないかも知れないが、私が見た例では文章をデジタルコピー機で鏡像(左右反転)にし、ワザと読みにくくしているものもありました。
 このように、デザインや印刷の業界では、ここに文章があるということが判るが、その内容が読めてはいけない文字らしきものが必要なのです。

 最近のDTPソフトでは、文字のサイズや行間はいくらでも自由になるので、あとは書体です。それが、レイアウト用疑似文字「JTCギジモ明朝」書体なのです。想像できますか? ご覧になってください。

 世の中には本当に色々な書体があるものです。Mac用のPostScriptフォントとして販売されていますが、明朝だけでなくゴシックも開発されるかもしれませんね。
 日本タイポグラフィ年鑑1987に、カンプ用コピーインディケーション・シートとして発表された書体が、改良され製品化されたものと思われます。

企画・開発 日本情報科学
      03-3814-3201
販 売 元 レトラセットジャパン
      03-5721-1644

 


TrueTypeお買得パック 1996/05/23

 今回は宣伝っぽくてゴメンナサイ。キヤノン販売から5/8に発売されたTrueTypeフォントCDの紹介です。
 正式な製品名は、FontGallery TrueType Deluxe CD 2。
MacintoshとWindowsどちらでも使え、価格は12800円。内容は、

●漢字32書体、イラスト2種1300カット

平成明朝体W3 教科書体 古隷書体マール
平成明朝体W5 イワタ細教科書体 INT 秀慶隷書
平成明朝体W7 イワタ中太教科書体 INT 秀慶太隷書
平成明朝体W9 NTC宋朝長体 C&G 半古印
薫高極太明朝体 セイビペン字体 創英ポップ体2
イワタ細明朝体 行書体CC-M 創英新江戸1
平成角ゴシック体W3 行書体LC-M 千社文字マール
平成角ゴシック体W5 松慶行書体  
平成角ゴシック体W7 INT 新松慶行書 C&Gカットコレクションー1
平成角ゴシック体W9 楷書体NTM 創英ポップイラスト
極太ゴシック体 NTC新楷書体  
丸ゴシック体Ca-B    
丸ゴシック体Ca-L    
NTC中丸ゴシック体    

●かな専用25書体

えれがんとL  墨東L   こでまりL
えれがんとM  墨東M   からたちL
えれがんとB  墨東B   さんざしL
えれがんとH  墨東H   あしびM
キャピーL  NTLG-L  はしばみM
キャピーB  NTLG-M  さざんかM
ハッピーL  NTLG-B  てっせんM
ハッピーM  NTLG-H  
ハッピーB  
ハッピーH  

●英数、かな、記号のプロポーショナルつめ組機能
●かな組み替えソフトFontComposer搭載
●外字作成ソフトTypeCraft同梱

 どうですか皆さん、TrueTypeフォントも本当に安くなりましたね。売り上げの中からロイヤリティを受け取る私の立場からすれば、もうこれ以下の価格にはなって欲しくないのですが…。

 これだけの内容(私のかな書体、えれがんと・キャピー・ハッピー・墨東・NTLGも入っているし)があれば、書体を色々変更して充分楽しめるし、満足する製品だと思います。

 しかし、パッケージの裏をよく読むとプロポーショナル機能もFont ComposerもType Craftも、Windows専用なのだ。そして、何ということだ「Macintoshでかな専用書体は使えません」!

 ということは、Macでは漢字32書体とイラストしか使えないのだ! まぁ、それだけでも安いと思うけれど、Macで私のかな書体が安く使えると思ってこの製品を買ってはイケナイ。

Macユーザの私としては、なんとも不満の残る製品である。

 


JIS X 0208の改正作業 1996/05/16

 文字コードの規格、JIS X 0208の改正作業が進められている。
新JISコードの改正内容は、

●「外字」の明確化

●シフトJIS, EUC, 2022-JP, UCS、どの文字コード体系でも実装可能

●丸付き数字、長音記号付きローマ字、メートルなどの片仮名単位、Latin-1などの記号及び約物、固有名詞用漢字類の追加
(高校までのすべての教科で使われる文字の不足分40文字程度、国土行政区画総覧で使われている文字の不足分数十文字程度、法務省の戸籍業務で挙げられている不足分800文字強、NTT電話帳の外字4800文字)

この改正により「外字」が必要になることは殆どなくなるそうです。

 この作業を担当している INSTAC (日本規格協会 情報技術標準化研究センター)主査・芝野耕司氏(東京国際大学)は、過去のJIS規格の問題点を真剣に調べあげ、JISの怠慢を明確に指摘。今迄の間違ってきた過去をどう正すかが、私の仕事と述べている。

芝野氏が指摘する問題点の一部抜粋(改行変更は佐藤豊)
--------------
 補助漢字は,最初のJIS漢字を完全に誤解して開発されたため,実際に必要とする漢字が保持漢字に存在する確率はかなり低いと思います。実際的には,補助漢字を探しても無駄ではないでしょうか。

 JIS漢字は,情報処理学会漢字表試案(国語学者の調査をもとにした漢字表),国土行政区画総覧,行政基本漢字,日本生命人名漢字の四つの漢字表から漢字が収録されていますが,一方では,37の漢字表の調査も行っています。

 補助漢字では,78年に最初のJIS規格を制定して当時の実際の作業を厳密に検討することなしに,間違った表層的な解釈で,JIS漢字を捉え,この間違った認識をもとに開発を行っています。

 すなわち,開発の初年度は,主要な四つの印刷機器メーカの漢字表を調査し,2年度はこれを九つに増やし,最終的には,78JISに匹敵する30の漢字表を調査し,この母集団の大きさを無視した最終的な調査と諸橋大漢和をもとに,漢字集合を決定しています。
 結果として,諸橋にしかない多くの漢字を収録する一方,実際に使われている多くの漢字を無視することとなっています。
 実際に,主要な四つの印刷機器メーカのすべてがもっていた字母のうちで,補助漢字で採用されていない字形があります。

 また,諸橋大漢和では,どうも石井さんが独自にデザインしたとしか思われない字形が存在します。例えば,“不倶戴天”の“倶”は,康煕字典及び新字源では,“目”の縦画が下の横画とつながっていますが,諸橋大漢和では,離れています。

 これは,諸橋大漢和をそれなりに信頼できる点ですが,修訂版では,それまでの大漢和の問題点を実に率直に序文で問題点の指摘を行っています。実際には,修訂版の前の縮刷版でも刷り毎に,字形が異なる漢字が存在します。

 この意味では,補助漢字は,間違った理解から生まれた間違った漢字表だと思います。
--------------
 いままで改訂する度に、一層混乱してしまっていたJISコードが、今度こそ印刷業界でも通用するものになるかもしれない。

公開レビュー資料は,ftp://ftp.tiu.ac.jp/jis/jisx0208/から入手可能。

※ INSTAC (日本規格協会 情報技術標準化研究センター)
 東京都港区赤坂4丁目1-24 (担当 渡辺・平柳)
  電話 03-3583-8077, FAX 03-3582-0844

※参考資料
 MONZ 307号 ウインドウズDTP元年(前田年昭)印刷之世界社
 NIFTY-Serve= FPRINT 会議室16、FGRAPHIC 会議室19。

 


第14回石井賞決定 1996/05/09

 先週、WWWブラウザのNetscape Navigator 2.0に行間の指定があるらしいと書いたが、行間の指定ができるのはInternet Explorer2.0の方らしい。
 私自身まだ製品版のNetscape Navigator 2.0を手に入れていないので、この件は次の機会に取り上げます。

 写植機メーカー(株)写研主催の「第14回 石井賞創作タイプフェイスコンテスト」(本年1月31日応募締切)の受賞者が決定した。
 同賞は、タイプフェイス(書体)デザイナーの発掘と印刷用新書体の開発を目的に、1970年より隔年で催されてきた。
 石井賞の名称は、写研創業者であり、いわゆる“石井書体”を手がけ、『諸橋大漢和辞典』(大修館書店)の、47500字にものぼる原字制作でも名高い、故・石井茂吉(1887―1963)の業績を顕影するために、この賞がもうけられたことによっている。

●第14 回石井賞タイプフェイスコンテスト入賞者

石井賞  重野 憲一 (神奈川県川崎市)
2 位  多田 信之 (埼玉県富士見市)
     今田 欣一 (埼玉県県鶴ケ島市)
3 位  重野 憲一 (神奈川県川崎市)
     七種 泰史 (愛知県岩倉市)
     中村 幹夫 (東京都東大和市)
佳 作  古本常志夫 (東京都新宿区)
     平木敬太郎 (福井県福井市)
     酒井  正 (埼玉県浦和市)
     酒井  正 (埼玉県浦和市)
     黄  裕圖 (アメリカ合衆国)
     宮田  有 (愛知県犬山市)
     米田  隆 (千葉県鎌ケ谷市)
     横田 美枝 (東京都豊島区)
     中村 幹夫 (東京都東大和市)
     山田 正彦 (愛知県名古屋市)
     植村 順作 (大分県佐伯市)
     植村 順作 (大分県佐伯市)
     楊  国民 (中国上海市)
     楊  国民 (中国上海市)

●かな部門

石井賞  該当者なし
2 位  平木敬太郎 (福井県福井市)
     池上 貴文 (愛知県名古屋市)
佳 作  該当者なし

●数字部門

石井賞  該当者なし
2 位  該当者なし
3 位  該当者なし
佳 作  該当者なし

 今回の応募作品数は、和文120点、かな13点、数字10点で合計143点。1位賞金400万円(だったかな)のコンテストにしては少ない応募数だ。
 過去には300点を越える作品が集まったこともあったのだが、最近の出品数は毎回減っていく…。

 募集の告知も今回は殆ど目にしなかったし、出品作品の指定形態もかなり古く、B1サイズの木製パネルにケント紙を水張りし、その上に1文字づつ指定用紙にデザインした原図を貼らなければならない。
 もう少し出品しやすい指定形態なら、もっと応募があるはずだ。また、3位までの入賞作品の権利がすべて主催者に独占される応募規約にも問題があるのではないだろうか?
 過去にナール、スーボなどの新書体がこのコンテストから生まれ、大ヒットしたことが懐かしい…。

 写植機メーカーのライバル「モリサワ」の、写研とは対照的な書体コンテストも、今年8月末締め切りで応募を受付ているので、興味のある方は覗いてください。

 


WWWブラウザの行間 1996/05/02

 このページもHTML言語で作られ、皆さんの元に届いているのだが、そのHTML拡張版(ver. 3.0)の開発を、Adobe, Apple, Netscapeの3社が共同で行なうらしい。(02/26の古い情報でゴメンナサイ)
 内容は、以下の通り

・Type 1 font, TrueType fontのHTMLやPDF fileへの埋め込み
・アンチエイリアス化して小さなサイズの文字でも見やすく表示
・14.4Kbps程度のモデムでも実用となるような、フォントの転送
・展開途中段階でも画面に現れて読めるようなフォント
・必要最小限なフォントデータをダウンロードするような工夫
・完成したフォントはAdobeの「Amber」というNetscape NavigatorのPlug-inとして配付される。(今年後半を予定)

 無事に完成すれば、現在のWWWでの文字関係の不満は、殆ど無くなるように思える。
 しかし、自分でホームページを作って見て解かったのだが、HTML言語には行間を指定するタグが無いのだ。
 この状態では、少し長い文章はとても読む気になれないし、疲れる。そのため私のページの文章部分は、意図的に、句読点を多くしたり、改行したり、一行空けたりと、読んで貰うためにかなり工夫した。

 欧文書体は、行間無しで文字を並べてもデセンダーとアセンダー部にスペースがある(大文字だけで並べてもデセンダースペースは確保される)ので、充分読めるのだが、日本語書体の場合はスペース一杯に文字がデザインされているので、行間に全く隙間が無くなってしまう。
 1行アキのタグを使えば行間は空くが、長い文章の全てををこの体裁にするのは不自然だしスペースの無駄だ。

●日本語データの場合はブラウザが自動的に行間を半角程度あける。

●行間スペースを含んだWWW専用日本語書体の開発。

●文章に半角程度の行間をつける新しいタグの規定

 いずれかの方法で行間の問題に対処しないと、WWW上での大量の文字情報を読む気がなくなる。
 私はMACを使用、WWWブラウザ上でのフォントは色々試した結果、いくらか行間が空いて見えるOSAKAを使用しているが、他の書体では全く行間アキがない。
 WINDOWSや他の環境では、どうですか? 読みにくくないですか?

 と、ここまで書いたらNetscape Navigator 2.0には行間の設定があるらしいことがわかった。
 私はまだ手に入れてないので詳しくは解からないが、読む側が自由に行間を設定するのか? ページをデザインする側はツライでしょうね…
 行間を設定する新しいタグが規定されてるといいのだけれど… この件に関して詳しい人教えてください。
 こんなことを書いていたら、海外ではすでにNetscape Navigator 3.0ベータ版の配付が始まってしまった。

 


写研書体ルリール 1996/04/25

 04/18の千葉麗子フォントで思い出したのが、写研のかな書体「ルリール」。
 マル文字ブームが始まったころ、写研はマル文字のデザインを一般から募集して製品化したが、「ルリール」はそのコンテストに応募されたものではなく、当時人気絶頂だった「おニヤンコクラブ」(この表記に自信がない)のメンバー永田ルリ子の直筆書体だ。

 写研特有の命名法則(ナカムラのアール?がついた書体ナール、スズキのボールドでスーボなどetc.)にのっとり、ルリコのマル文字で「ルリール」と名付けられた(らしい)。

 本人がかなり書き慣れた書体らしく、勢いがあり新しいウマサを感じた。 そしてマル文字といえば漢字はナールを使うと思いがちだが、この書体はナカフリーがぴったりで、マル文字とは言い難い書体だ。
 ウマイデザイナーが技術の確かな写植オペレータと組み、キレイに詰め印字すれば、この現代的筆記書体を使いこなせる。

 少し不運だったのは、一般からのコンテストで入選し、採用されたマル文字書体と同じような扱いを受けた事だ。
 エツール、イクールなどのコンテスト採用書体は、応募された原稿に(適当な紙に好きな筆記用具で両仮名を書けば良かった)何もプロ的な処理を加えずに製品化されたので、それはそれは…ヒ◯イものだったから。

 


千葉麗子のフォント 1996/04/18

 先日、秋葉原を探索していたら、CD-ROM売り場で「千葉麗子フォント」を見つけた。
パソコンアイドル「千葉麗子」。とうとう書体も作ってしまった。
 フォントだけではなく、他にも何やら入っているらしいが、私の興味はフォント。
 サインペンで手書きしたように見えるデザインだ。今どきドットフォントでもないから、多分アウトラインフォントだろう。文字数もフルセットではないようだ。
 その日は、あとで心に余裕があれば参考に買って帰ろうと思いながら、いつのにまにか忘れて帰ってしまったが、今日は月刊パソコン雑誌の発売日。あちこちの雑誌に関連した情報があった。

発売元はイマジニア(株)03-3343-8900
タイトルは、「有名人1千葉麗子」価格は6800円
彼女自作のCGが20点、スクリーンセイバー50点、そしてTrueTypeフォント「恋文 千葉麗子」が収録されている。

 フォントの文字数は一般的に使用される文字をピックアップしたという4005文字。
 一日か二日で書き飛ばした原稿から、単純にフォント化しただけのモノだから、書体の品質としてはヒドイ。しかし、まさに手書きそのままの生書体だから、たとえば若者向け雑誌の投稿欄などをこの書体で組めばそれなりのフンイキはでると思う。

 


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