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1999/01/01〜1999/06/22


Macで文字デザイン 1999/06/22

 友人の成澤さんの作った本(値段もお手頃)。全ページAdobe Illustratorで制作したそうです。
 内容は下記の転載文章のとおりですが、Illustratorのペンツールがうまく使えない人、きれいな曲線が描けなくて悩んでいる人などにも役に立ちそうです。この本でもう一度ペンツールの使い方を復習してみましょう!
 本書序文部分を転載します(またか)。
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コンピュータが文字のデザインに活用されるようになってからどれくらいになるでしょうか。長い修練を経なくても、簡単に、きれいな線や図形が描けるようになりました。でも、きれいな線が引けても、文字が描けるようにはなりません。
DTPも大はやりですが、安易なデザイン表現が多く見られます。書体の選択や本文の組みも、読みやすさを考慮していないものが、以前より目につきます。「Macになってからどうもね」などと言われ、質の低下がコンピュータのせいにされてしまいそうです。
この本では、文字の基本的な理解とその応用、展開の方法や発想方法を、イラストレータ(Adobe Illustrator)のテクニックを通して実習していきます。文字の視覚調整やごまかしのきかない微妙な線が描けるようになれば、自分の表現したい図形を描くことなんて簡単です。
コンピュータの使用以前の知っておいて欲しい書体やロゴタイプも資料として載せてありますから参考にしてください。
なお、この本で解説しているイラストレータは「イラストレータ8.0J」を基本にしていますが、必要に応じて「イラストレータ5.5J」についてもふれるようにしました。また、つくった文字をフォントとして使えるようにするためのソフト、フォントグラファ(MACROMEDIA FONTOGRAPHER 4.1J)についても、その基本的な使い方について解説してあります。

Macで文字デザイン
コンピュータ時代の文字づくり
ISBN4-7661-1107-9 C3070

著 者  成澤正信
定 価  2000円(税別)
発行所  株式会社グラフィック社
     102-0073
     東京都千代田区九段北1-9-12
     電話03-3263-4318 
     FAX03-3263-5297

 


和文電子活字綜合見本帳 1999/06/17

市販されている日本語デジタルフォントの殆どを見ることができそうです。案内リーフレットより内容を転載します(最近こればかり)。
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パソコンのかたわらには電子活字見本帳がある……。
1227書体(和文書体742種類、仮名書体485種類)収録。
あなたはこれらの電子活字を、どうつかいますか?

本書はパーソナル・コンピュータや、専用組版システムでもちいられている、できるだけおおくの電子活字を収録したいという、単純かつ明快な欲求から出発しました。それは書籍形成法(タイポグラフィ)の基本が、活字見本帳にはじまり、活字見本帳におわるからです。すべからく書籍形成法とは、活字見本帳から出発するといっても過言ではないでしょう。つまり見本帳なしで文字組版をすることはメニューをみないで、レストランで食事を注文することによく譬えられるほどです。
もちろん本書は電子活字そのものを販売したり、広告するためのものではありません。ですから比較や検討に役立つように、すべての書体が同一のフォーマットで展開されています。
また仕立ては地味ですし、奇をてらったデザインや、華美な装飾はもちいておりません。ここでかたっているのは文字であり、文字活字そのものなのです。
『和文電子活字綜合見本帳』には、742種の和文書体と、485種の仮名書体が収録されています。
それはまるで百花繚乱、あざやかに咲き誇る花のように、絢をきそっています。
あなたはどのように、これらの電子活字の花園を愉しまれますか。

●収録書体の開発・販売会社
アドビシステムズ株式会社 アルプス電気株式会社 株式会社イワタエンジニアリング 有限会社エヌフォー・メディア研究所 キヤノン販売株式会社 ダイナラブ・ジャパン株式会社 大日本印刷株式会社 大日本スクリーン製造株式会社 凸版印刷株式会社 築地電子活版 株式会社ニィス 日本活字工業株式会社 日本リテラル株式会社 株式会社ピー・アンド・アイ 株式会社フォント・トゥー 株式会社フォントワークスジャパン 富士通株式会社 株式会社モトヤ 株式会社モリサワ 株式会社リコー リョービイマジクス株式会社 株式会社ロジクス リサーチ インスティチュート

和文電子活字綜合見本帳
組版工学研究所編集
B5判 304ページ 並製本 単色印刷
定価:本体2700円+税

株式会社 朗文堂
160-0022 東京都新宿区新宿2-4-9
telephone 03-3352-5070 facsimile 03-3352-5859
http://www.ops.dti.ne.jp/~robundo/

 


フォント1000 1999/06/01

私は参加しないと思いますが、知人が何人か参加する企画です。案内リーフレットより内容を転載します
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 フォント制作はJISの約7000字が基準となっています。しかし、全てのフォントに7000字が必要なのでしょうか。その中の多くの文字をフォントデザイナーは使用されたものを見ることは無いでしょう。写植の時代でもそれよりもはるかに少ない文字数でした。「本当に必要な文字数とは」そんな素朴な疑問から「フォント1000」は生まれました。
 「フォント1000」は日本文を組むのに最低の漢字1000字を選定し、さまざまなフォント制作にチャレンジしようとするものです。「フォント1000」の文字種は、新聞社、出版社、国語研究所等の使用頻度表から選んだ、ベスト1000の漢字に両仮名および約物を加えたものです。この文字数で日本の文章の90%以上を組むことが可能です。不足文字はアウトラインを作成し、合字することで、ほぼ全ての日本文を組版することができます。
 このプロジェクトの参加デザイナー全ての作品をまとめて「フォント1000」という1冊のカタログとCDにまとめて、デザイナー自らが販売を試みるものです。近い将来に「フォント1000」の中から、充分な文字を揃えた、日本を代表する書体も生み出されることでしょう。

●フォント1000参加規定
・参加者のオリジナルフォントであること
・指定の字種全てを制作。各自でTrueTypeフォントまで制作。
・参加料/カタログ、CD製作費として¥50,000を予定(最終参加者数により変動有)
・第一次締切/1999年12月31日
・販売開始/2000年4月1日
・受付、販売、使用者登録は参加者が直接行い、事務局にて集計。
・収録全フォントの一括受付、販売、使用者登録は事務局が行う。
・販売後、フォントベンダーからの販売を拘束しません。
・「フォント1000」予定使用権料
 全使用権料(20書体収録したとして)/¥100,000
 1フォントのみの使用権料/¥10,000

●参加申し込み及び問い合わせ
フォント1000事務局
441-8011 愛知県豊橋市菰口町1-43 味岡伸太郎
Tel. 0532-32-4871 Fax.0532-32-7134
BXI04312@nifty.ne.jp

 


人間と文字CD-ROM展 1999/05/31

 案内リーフレットより転載します
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 1984年より世界各地で撮影、取材した文字遺産の写真資料をモリサワカレンダー「人間と文字」シリーズとして発表し続けてまいりました。今回、その膨大な資料の集大成としての「人間と文字」CD-ROMが完成いたしました。CD-ROM版ではカレンダーで今まで取材した全15タイトル、19カ国の遺跡、博物館、図書館、寺院、教会などの文字資料に、さらに大幅な学術的な資料と情報を加え、200種類にも及ぶ文字を収録し再編集しました。貴重でかつ美しい画像で人間と文字の壮大な歴史を語ります。1985年〜1999年のモリサワカレンダーを展示した会場で「人間と文字」CD-ROMにぜひ一度触れてみてください。

CD-ROM for Macintosh and Windows
「人間と文字」
収容字数  203文字
所収写真数 約300点
静止画番組 約90分
税抜き価格 5000円

Man and Writing CD-ROM Exhibition
CD-ROM「人間と文字」
監修:矢島文夫/田中一光

モリサワ・タイポグラフィ・スペース
6月3日〜8月10日
10:00〜18:00日曜祝日休館/入場無料
 


鈴木勉の本 1999/04/19

 昨年5月に亡くなられた鈴木勉さんの本が刊行された。鈴木さんは写研に勤務していたころスーボ・スーシャなどの創作書体で石井賞を2度受賞した書体デザイナーだ。
 平成元年に写研を退社したあと、元写研の同僚たちと字游工房を設立し書体デザインを続けてきた。
 「鈴木勉の本」は彼の手掛けた書体とその制作過程、鈴木勉を知る方々によるエッセイ・論考等をまとめたものです。
 彼ととくに交流のなかった私は、写研時代のゴナ・秀英明朝・本蘭明朝などとの関わり部分を興味深く読ませていただきました。いままで写研書体の制作事情が公表されたことはありませんでしたから。

 本書は非売品ですが、送料実費にて頒布していただけるそうですので、ご希望の方は下記までお問い合わせください。

■もう少し詳しい情報はこちら

■『鈴木勉の本』に関するお問い合せ先
(有)字游工房 鳥海または片田まで
〒169-0075 東京都新宿区高田馬場4-16-9 ケイワビル201
TEL:03-5389-7756 FAX:03-5389-7758
E-mail:mt-tori@pa2.so-net.ne.jp

 


外字作成ツール 1999/04/08

 JIS規格に含まれない文字を外字と呼ぶ。インターネットのように相手の文字環境が解からない世界では、通用しない文字だ。
 しかし印刷・出版の世界などではJIS以外の文字が必要になることも多い。JIS規格に準じている市販のフォントでは文字が足りない。幾つかの組織で外字の規格が企てられているが、どんなに規格ができても、多分それ以外の文字が必要な人がでてくる。

 そして、必要な外字の殆どは漢字だ。素人のユーザーが高品質なアウトラインデータを作るのはむずかしい。いくつかの安価な外字作成ツールを見たが、高品質の漢字が作れるとは思えない。
 しかし、これなら結構いい文字ができるかな?と思わせるツールを、PSフォントメーカーのフォントワークスが近日中に発売する予定だ。これまで自社フォントの開発用に使用していたシステムを外字作成に転用したと思われるこのツール、結構面白そうだ。
 概要を見るだけでは明朝体データだけのようだが、この会社の基本書体であるクラシックシリーズ全書体のデータが提供されたら、最高だ。
 また、この製品の「名称も募集」している。締め切りまで時間が少ないが、フォントが賞品となっている。

●応募期間
 1999年4月15日まで
●応募方法
 フォントワークスのホームページに掲載中の「外字作成ツール」の概要をお読みいただき、末尾の製品名応募フォームにてご応募ください。
●各賞と賞品
■最優秀賞 1名:フォントワークスクラシックセレクト5中低解像度版
■優秀賞  3名:フォントワークスATMフォントセレクト5
■佳作   5名:フォントワークスATMフォントセレクト1

 


アニト物語…6 1999/03/09

 なんとか出来上がったアニトのIllustrator データは翌1992年に、ペンやドリルのようなもので文字を描いたり彫刻するプロッター用のフォントとして、ある会社と契約が決まりIllustrator で描いた中心線データをそのまま提供した。
 この時のデータは「アニト一本書き」というフォント名で現在でも販売されていて、年に何回か、ベルトコンベアにのって目の前を流れるお寿司が食べられるぐらいの金額が二人に振り込まれてくる。
 そして、まだ中心線のデータしかできていないのに、どこでウワサを聞いたのか、アウトラインフォントとしてウチから販売しないかという会社があらわれる。
 その頃、中心線から任意の太さのアウトラインデータを作成できる expand stroke という機能が、Fontographer に搭載されたので、ちょうどいいタイミングだとこの話にもすなおに乗ることにした。

 さっそく作業にかかり、Illustrator からFontographer に1文字づつコピー&ペーストし、JIS の1区分94文字を1ファイルに保存する。この状態のデータを、stroke の st を Anito の後ろに追加し「Anitost」と名付けた。
 全ての文字を Fontographer に移し終わったあと、このフォントデータのメッシュサイズ(文字データ各ポイントの位置基準となる細かさ)を決めなければならない。
 Fontographer のデフォルトでは1000が設定されているが、1000メッシュよりは1024メッシュのほうがコンピュータの世界では都合がいいと判断(少し知恵がついたか)し、1024のメッシュサイズにした。ということは Illustrator上の100 ptサイズで6ptの太さの文字は、1024のメッシュサイズにすると61〜62の太さに相当するので、文字の太さも62に変えた。

 あとは、線の末端と角を丸(Round)に設定、この数値でどんどん expand stroke していけば、丸ゴシック風の文字ができる……のならいいのだが、現実の書体デザインとはそんな単純なものではない。すべての文字を同じ太さで作ると画数の多い文字は黒っぽくツブレタ文字になってしまう。だから1文字ごとに線の太さを微妙に調整しすべての文字がそこそこ同じような黒さ(明るさ?)に見えるようにしなければならないのだ。
 その微妙な調整をどうするか。従来の手で書いていたときのように1文字づつやるか? 最終的にはそのような調整も必要にはなるが、その前になにか良い方法はないだろうか? このアニト書体は、原字と呼ばれるアナログのデザイン原稿も作らないでここまでやってきたのだ。まだ他人が試みたことのない方法をやってみたい。

 そこで二人は文字の画数を目安に太さを設定することに挑戦した。JIS漢字を総画数で分類した本を捜し出し、それを頼りに、すべての漢字をある画数までは基本の62、それ以上の画数の文字は58、もっと多いものは54と細くしていき expand stroke 作業をすすめた。
 もちろんこんな大雑把な方法で書体の見た目の太さが完璧に揃うわけではないが、1文字づつ勘に頼って作業するよりは、手早くそしてムラなく調整できたと思う。
 それまでアニト書体のデータは、実体のない中心線だけのデザインだったが、この作業により丸ゴシック書体の輪郭線がはっきりと見えるようになり、やっとアウトライン・データと呼べる形になってきた。
 Anito の後ろにexpand の ex を追加し「Anitex」と名付けたこのデータが完成したのは1991年の11月。Fontographer は英語版しか存在せず、マニュアルの解読に悩まされ「こんど生まれてくるときは、しっかり英語を勉強しようね」と言いながらの作業だった。

 


墨東99と墨東くずれ 1999/02/18

 今月の27日から原宿デジタローグギャラリーで、FONT WORLD EXPO`99 が開催される。会場では昨年の11月末までに応募された1バイトフォント(Mac & Win)約350点の全てが展示され、殆どのフォントはその場でフロッピー販売される。
 また選考を通過した80点の作品は、CD-ROM「フォントパビリオン06、07、08」に収録され2月3日から販売されている。
 一般の人には使いにくいが、若いグラフィックデザイナーを中心に盛り上がっている1バイトのかなフォント。その初めての公募展(かなフォントに限定されているわけではないが)ということで興味を持った。
 私自身1バイトの墨東フォントは1991年にいづみや(現ソフトウエア・トゥー)から発売しており、いまでも一部で根強く使われているのだが、販売店にはもう流通していない。それを復活させる意味もあり墨東系のフォント2点を出品した。

●「墨東99」は5、6年前にリデザインし完成した墨東ファミリーから最も太いものを選び、すべてのキャラクタにカーニングペアの設定をしたものだ。1991年の墨東は、当時としては画期的な1文字ごとに幅と字送りが違うプロポーショナルフォントだった。カーニングペアの設定も実現したかったのだが、その膨大な労力に挫折し、そのまま発売してしまった。

 カーニングペアとは、プロポーショナルフォントでも完璧にはいかない文字間の不揃いを無くすために施される2文字の間隔設定だ。たとえば LTD と文字が組まれた場合 LT のアキと TD のアキは、LとT のアキの方が広く見えてしまう。それを改善するために、 Lの次にTの文字が並んだときは字間をこれだけ狭くする、という2文字ごとの情報なのだ(高品質な欧文フォントにはきちんとカーニングペア情報が含まれている)。
 そのカーニングペアをすべてのかな文字に設定したのが、「墨東99」と「墨東くずれ」だ。文字の組み合わせ数を想像すれば判って貰えると思うが、えら〜く手間がかかった。

●「墨東くずれ」は、フォント名から判るように、文字の輪郭を崩してちょっと違う味付けをした書体。太さや、プロポーショナル & カーニングペア情報は、墨東99と殆ど同じだ。
 両フォントとも、DTPソフトウエアのカーニング設定を利用することで、フォントデザインの特徴を最大限生かすことができる。しかし、CD-ROMパッケージ裏やWEB上のサンプル表示ではカーニング設定が生かされていないし、墨東くずれのカタカナが墨東99になっている(ヒド〜イ)。

 フル・カーニングペア・バージョンの「墨東99」と「墨東くずれ」は、フォントパビリオン08 に収録されているのだが、他のデザイナーのフォントもたくさん入っていて6800 円だ。しかし、私のフォントだけが欲しい方は、オンライン販売のバラ売り(こちら)で購入してくれるとありがたい(1書体1000 円)。なぜならばCD-ROMの場合、私が受け取る印税が、オンライン販売方式の5分の1ぐらいに下がってしまうからだ(ハハハ)。 

FONT WORLD EXPO`99 
2月27日(土)〜3月31日(水)
午前11:00〜午後7:00まで 会期中は無休
デジタローグギャラリー
東京都渋谷区神宮前3-27-7
TEL. 03-3408-2494 FAX. 03-3401-5933

 


Win用キャパニト頒布開始! 1999/02/02

 ちょうど1年前に始めた「キャパニトL-教漢」フォントの無料頒布は、約3000の登録者数になりました。そしてWebサイト「ようこそ!書体の世界に」のアクセス累計が10万を越えました(談話室のカウントを足せば、とっくに越えていましたが)。

 アクセス数、10万突破を記念してというか、「漢字エディットキット」も2.0 になったことだし、キャパニトL-教漢もバージョンアップ (Ver.1.1) することにし、Windows版も作ってみました。

●この日本語フォント(Ver.1.1) は、Acrobat4.0J で作成する PDFファイルに、埋め込み(Embed)が可能です。とはいっても Acrobat4.0J はまだ発売されていませんが(笑)。

●登録者に解凍用のパスワードをメールする方式も変更しました。今度は、登録した人にダウンロード用ページのURLをメールで知らせる方式です。どちらにしても、きちんと登録した人のみを私はキャパニトのユーザとして認めます。

 モリサワからPDFファイルに埋め込み可能な「ニューCIDフォント」が発表されましたが、私のWebでは、埋め込み可能なTrueTypeフォント「キャパニトL-教漢(Ver.1.1)」を、本日から Mac・Win 両パソコンユーザに無料頒布を開始しました。

・このフォントデータの大部分はエヌフォー・メディア研究所の漢字エディットキット2.0 で作成しました。なにか問題がありましたら、ご使用環境と問題の起きるアプリケーションを明記の上、問題となっている症状をエヌフォー・メディア研究所までレポートしてみてください。ただし、解消されるかどうかは保証の範囲ではありません。
・また、Windows版の作成・ダウンロード用データに関して、兵庫県の丸岡雅憲さんと東京の蛭田龍郎さんに協力していただきました。

 


アニト物語…5 1999/01/14

 1989年の夏に始まったアニト書体の制作。
 まず、Adobe IllustratorでA4ヨコサイズの用紙上に100pt の文字枠を均等に24個並べ、基本のシートを作った。
 次にその枠の中に、中心線で文字の骨格を描いていく。線の末端形状は丸、カドも丸に設定して太さは6pt だ。何の見本もスキャンデータも使わずに、JISの情報交換用漢字符号表で字種だけを確かめながら、頭の中にある書体イメージをペンツールで描き続けるのだ。
 ひどいことに、この頃のIllustratorは、現在のようにプレビューモードでの作業ができず、アートワークモードで描いた線は、プレビューモード画面で形状やデザイン結果を確認しながら作業するしかなかった。
 このシートが4枚でJISの1区分(94文字)が揃う。JISで規定されている文字種は01区から84区までだから、その遠く果てしない道程を考えると気が遠くなり、二人は酒を飲むことでその仕事量を忘れようとしたが、逆に次の日には二日酔いで能率は下がってしまうのだった…。

 二人でお酒を飲んで打ち合わせばかりしていれば、書体はいつまでたっても完成しない。これではマズイ。まわりの人達に二人で書体を制作していることは知らせてあるので、アニトがいつまでたっても完成しないと、単に酒を目的に二人でつるんでいるだけだと思われてしまう。
 しかし、自分達で企画し何の見返りも保証されていないアニト書体の制作は、なかなか進まなかった。そこで二人が必死に考えた作戦が「ごほうびとしての海外旅行」だ(目の前にエサをちらつかせて目的の行動をさせるとも言うらしいが)。
 ある段階までアニトの制作が進んだら、旅行に行って制作の疲れを癒し、また次の段階に進むのだ。初めてのごほうび旅行はたしか香港。そんなことで始まったアジアの二人旅が、フィリピン・韓国・マレーシア・シンガポールと巡った頃、アニト計画の第1期、Illustratorでの骨格制作はなんとか終了した。
 1991年、熱燗が恋しくなる12月のその日、成澤と佐藤は久しぶりに二日酔いになるまで飲み続けた。

 その間に、日本語PSプリンターNTX-IIJ (1989)や、日本語版Illustrator 88(1990)が発売され、巷では日本語のDTPが立ち上がり始めていた。
 しかし日本語ATM(モニタ上でPSフォントを綺麗に表示するソフト)も、日本語TrueTypeもまだ実現しておらず、パソコンのモニタには相変わらずギザギザのドット文字が並んでいる時代が続いていた。

 


フォントに興味のある人達 1999/01/01

 あけましておめでとうございます!
今年はPDF(Adobe Acrobat) に日本語フォントが埋め込めるようになります。それによってフォントをとりまく環境はどのように変わっていくのでしょうか? 楽しみでもあり、不安でもあります。
 私のページへのアクセス状況最新1週間分(12/25〜31)をまとめてみました。

●OS別ヒット数
 1位(51%) Macintosh PowerPC
 2位(22%) Windows 95
 3位(15%) Windows 98
 4位(04%) その他
 5位(04%) Windows NT
 6位(03%) Macintosh 68000
 7位(01%) DEC Alpha OSF1
 8位(00%) FreeBSD
 9位(00%) Solaris

・Macintoshを合計すると54%、Windowsの合計は41%です。

●ブラウザ別ヒット数
 1位(45%) Netscape Navigator 4
 2位(35%) Internet Explorer 4
 3位(12%) Netscape Navigator 3
 4位(04%) その他
 5位(02%) Internet Explorer 3
 6位(01%) Netscape Navigator 2
 7位(00%) Internet Explorer 5
 8位(00%) JustView

・Netscape Navigatorを合計すると58%、Internet Explorerの合計は37%です。CSSを利用してもっと文章の行間を広くしようと考えているのですが、まだNetscape Navigator 3を使っている人が結構いますね…(2月中旬から広くしました)。

●ページ別ヒット数(トップページは除外)
 1位(197) フォント無料頒布の案内
 2位(151) フォントの談話室
 3位(101) かなロゴ・プレゼントの案内
 4位(091) 書体関連リンクページ
 5位(090) かな書体のページ
 6位(089) 総合書体のページ
 7位(079) かなロゴ・ダウンロードページ
 8位(044) 欧文、その他書体のページ
 9位(042) 下町フォント日記
 10位(041) キャパニト登録完了
 11位(028) はじめに
 12位(025) キャパニト正規登録者のページ
 13位(023) 佐藤章さん追悼
 14位(022) 書体ウオッチャー最新号
 15位(022) 書体ウオッチャー・バックナンバー

・年末の会社が休みの時期を含んでしまったため、普段よりはアクセス数が少ないようです。フォントの談話室がこんなに人気があるとは思いませんでした。フォント無料頒布のページまで来ても、登録完了するのは20%……Windows用のフォントも用意したほうがイイんだろうな。
 ということで、今年もよろしくお願いいたします。

 


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