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手で書いた文字は、やはり何か違います。書いた人の心と手作り感がいっぱいつまった、手書きフリーフォント情報を集めてみました。
フリーといっても、自由に使っていいわけではありません。商用に使ってはいけないものとか、ときには別に料金が必要なこともあります。それぞれのフォントの規約(約束ごと)に必ず目を通して、互いにイヤな思いをしないようにしましょう。
いちおう、漢字も使えるものを選びました(順番に意味はありません)。たくさんあります。あせらずにのんびりとサイト訪問して楽しんでください。
今回、紹介できなかったサイトやフォント作者の皆様、ごめんなさい。
●ふい字置き場。
ふい字・まきばフォント
http://hp.vector.co.jp/authors/VA039499/
●キュービーアート
お気楽フォント(三丁目フォント)
http://www.geocities.jp/bokurano_yume/
●手書きフォント『きろ字』
きろ字
http://kiloji.jovetel.net/
●モノクロな地味部屋
れいこフォント
http://www.scn-net.ne.jp/~minori/
●やさしさ餃子
アームド・レモン
http://millimeter.cool.ne.jp/
●MopStudio
ミウラLiner
Jr
http://www.mopstudio.jp/
●あずきフォント
あずきフォント・うずらフォント
http://key.milkcafe.to/azuki/
●Mighty's
Notebook
ペン字楷書・ペン字入門楷行体・ペン字草書
http://www.geocities.jp/hiroki_mighty/
●ProjectDARTS
HANDARTS_MAX・
http://homepage3.nifty.com/ProjectDARTS/
●cossack
えれーな
http://www.cossack.jp/
●月明かりの森工房
ウナオジャポン・新ウナオジャポン
プロ・鞦韆堂フォントなど
http://moonglow.moo.jp/
●ほにゃ。
ほにゃ字
http://honya.nyanta.jp/
●plx.system
ゆたぽん
http://net2.system.to/pc/font.html
●Heart
To
Me
さなフォンシリーズ
http://www2g.biglobe.ne.jp/~misana/
●Y.Oz Vox
Y.OzFont
http://yozvox.web.infoseek.co.jp/
●STUDIO
twoG
海・月・殴り書き・つき・うに・らぶ・メモ
http://s2g.jp/
●研修講師by教材.com
TA微妙体
http://www.kyouzai.com/
●ななちゃんの大阪名物フォントサイト
GNキュートポップL・M
http://www.jttk.zaq.ne.jp/babwp701/
●オリジナルフォント【みかちゃん】
みかちゃん
http://www001.upp.so-net.ne.jp/mikachan/
●Teardrops
in
Aquablue
あくあフォント
http://aquablue.milkcafe.to/
●フリー素材<ivory>
あんずもじ青実・あんずもじ青実等幅・あんずもじひらがな
http://www8.plala.or.jp/p_dolce/
●SRH
SR角田さん・SR丸田さん
http://vvix.com/srh/
●あくび印
あくびん・くれよん・おさんぽ
18歳未満(高校生以下)の方がフォントを使うときの特別ルールあり。
http://pandachan.jp/
●Maniackers
Design
Holiday-MDJP02
(KANJI)
http://mks.jp.org/
●あられ-等幅(サンプル画像)
http://www.type-labo.jp/GIF.IMAGE/Aralethanpu.gif
●サンプルPDF(78.4k)
http://www.type-labo.jp/DATA/Aralet.pdf
●あられフォントの掲示板
http://www.type-labo.jp/Araletkeijiban.html
・すでに無料版の「あられ-教漢」フォントの登録が済んでいる方は、登録時にメールでお知らせした、あられ専用のダウンロードページから「あられ-等幅教漢」フォントをダウンロードしてご使用ください。
・当サイトは2004年3月1日に移転いたしました。
それ以前に「あられ-教漢」の使用登録された方にお知らせしたダウンロードページは使えません。
お手数ですが、もう一度使用者登録をしてください
・無料版のダウンロードページをお知らせした、当社からのメールを紛失してしまった方は、お手数ですが、もう一度使用者登録をしてください。
●↓無料お試し版の使用登録・商品版のご購入は、こちらから
http://www.type-labo.jp/
他のフォント同様に、あられ-等幅もご愛用していただければ幸いです。
常時インターネットに接続して、WEBブラウザが起動している人ならば、自分のパソコンにインストールされているフォントの雰囲気をWEBブラウザ上でいろいろと確認できる「STC fontBROWSER」も、使用OSに左右されませんし、便利です。
英語表記のサイトですが日本語フォントにも対応しているようです。好きな文章を入力して、いろいろなサイズでフォントの雰囲気を確かめられます。
●STC fontBROWSER
http://www.stcassociates.com/lab/fontbrowser.html
……Windows用(カッコ内は動作環境)…………………………………………
●フォントインストーラー SAKURA 2.50…(Windows 2000/XP)
フォントのインストール・アンインストール支援。
http://tam.vni.jp/
●FontUNow(ホンチナ)…(Windows 2000)
フォントの一時的なインストールを簡単にでき、仮名フォントの入力手伝い機能もあるDelphi6ソース付き。
http://www.vector.co.jp/soft/win95/writing/se281974.html
●フォント見本の表示と印刷…(Windows 95/98/me/NT/2000/XP)
プリンタと画面でのフォント見本を表示し、印刷。
http://pcgenki.com/soft2/kfont.htm
●Switch Font…(Windows 95/98/NT)
正式にインストールしなくても一時的にフォントを使用可能に。フォント閲覧・管理ツールとしても幅ひろく使用できる。
http://www.vector.co.jp/vpack/browse/pickup/pw3/pw003315.html
●FontPlug v2.01…(Windows 95/98/NT/2000)
フォントファイルのフォントをシステムで一時的に使用可能にする。
http://www.vector.co.jp/soft/win95/writing/se122540.html?site%3Dn
●FontPnP…(Windows 98/me/2000/XP)
正式にインストールしなくても一時的にフォントを使用可能に。プレビュー付きのリストでフォントが選びやすい。
http://eureka.prits.jp/products/FontPnP/
●Font sist…(Windows 95/98/2000)
未インストールのフォントを閲覧&使用可能に。圧縮ファイルからも可能。
http://www.vector.co.jp/soft/win95/writing/se090589.html
●戸閉めフェイサー…(Windows 98/2000)
複雑なフォント変更を一発で フリーフォントの有効活用に。
http://www.vector.co.jp/soft/win95/writing/se137951.html
●Impression Letter…(Windows 98/me/2000/XP)
Drag&Dropで簡単操作のフォントユーティリティ。
http://www.vector.co.jp/soft/win95/writing/se033529.html
●フォント一覧印刷君…(Windows 95/98/me/NT/2000/XP)
フォント印刷の定番ソフト。段組印刷・HTML分割出力などの実用的な機能も満載。
http://www.vector.co.jp/soft/win95/writing/se084206.html
●Rune…(Windows 95/98/me/2000/XP)
任意の文字列を任意のフォントで一覧表示します。一部のフォントを選択して表示することも可能。
http://home.att.ne.jp/banana/akatsuki/
●フォントマスター2…(Windows 2000/XP)
フォントのインストール/アンインストール、印刷、フォルダ管理など様々なビューア表示を行う。
http://www.vector.co.jp/soft/winnt/writing/se285212.html
●Font Viewer Plus…(Windows 95/98/me/NT/2000/XP)
インストール済み・未インストールのフォントの一覧を表示。
http://www.vector.co.jp/soft/win95/writing/se244187.html
●FontPage XPress…(Windows 95/98/me/NT/2000/XP)
TrueTypeフォントの見本帳作成(未インストール・圧縮ファイル対応)。
http://www.vector.co.jp/soft/win95/writing/se088244.html
●ふぉんつ…(Windows 98/me/2000/XP)
インストールされているフォントの一覧をブラウザで一気に表示。
http://www.vector.co.jp/soft/win95/writing/se292233.html
……Macintosh用(カッコ内は動作環境)………………………………………
OS Xに「Font Book」という、フォント管理やフォントの閲覧などもできる便利なソフトが付属するようになったためか、Macintosh用の新しいものは少ないようです。
■FontExplorer X…(MacOSX)
メニューなど英語表記ですが、日本語フォントでも大丈夫。
http://www.linotype.com/fontexplorerX/
■ShowFont…(MacOS MacOSX)
次々とテキストのフォントを変えて表示。
http://www.vector.co.jp/soft/mac/writing/se209208.html
■フォントカタログ…(MacOSX)
インストールしてあるフォントをリストアップし、フォント見本一覧表を作成。
http://www.vector.co.jp/soft/mac/writing/se280791.html
■FontListMaker…(MacOS)
フォント見本作成。縦書き・横書き印刷。サンプル文字列、フォントセット、サイズ、文字色、背景色の設定が可能。
http://www.vector.co.jp/soft/mac/writing/se137580.html
■FontPeeper…(MacOS)
システムへのインストールの有無に関わらず、CD-ROM等のメディアから気に入ったフォントを探しだし、プレビュー/ファイル操作/カタログによる管理が可能。500pt.サイズまで確認できる。
http://www.vector.co.jp/soft/mac/writing/se034546.html
■フォント一覧…(MacOS)
インストールされているフォントをリストアップし、フォント見本一覧表を作成。
http://homepage3.nifty.com/n-fujita/
■FontsViewer…(MacOS)
インストールされている全フォントを表示。フォント一覧印刷ソフト。
http://www.vector.co.jp/soft/mac/writing/se087104.html
●OS(WindowsやMacOS)にバンドル
OSに最初からフォントがたくさん入っていればいいのに!という声をときどき聞きますが、マイクロソフトやアップルなどのOS開発会社は、フォント専門の会社からフォントを仕入れて搭載しています。フォント数を増やせば、OS自体の価格が高くなるかもしれません。
空っぽの住宅より、家具付き住宅のほうが価格が高くなるのと同じような感じですね。過去に、OSにフォントがたくさん含まれていた時代もあったような気がします。
●ハードウエア(パソコンやプリンター)にバンドル
でも、私が買ったパソコンにはたくさんフォントが入っていたよ…という場合。それはパソコンメーカー(ソ○ーとかN○Cとか富○通とか)が、他社と差をつけるため、独自にフォント専門の会社から仕入れて搭載しているのだと思います(社内にフォント開発部があるメーカーもありますが)。
最近は、ぎりぎりのコストでパソコンを製造していますから、フォントをオマケで付けてくれるパソコンメーカーは少なくなりました。プリンターに、フォントが搭載されている場合もあります。
●アプリケーションソフトにバンドル
オフィスとかワードとか年賀状作成などのソフトに、フォントが含まれていることがあります。
そういうソフトをインストールするときに、フォントも一緒にインストールされたりしますので、気づかないうちにフォントが増えていたりします。
フォントが含まれているそれらのソフトが、最初から搭載されているパソコンもあります。もちろんメーカーは、これらのソフトをパソコン製造台数分購入して搭載していますので、その分、パソコンの価格に反映されているはずです。
フォントカタログ・標準の日本語フォント(もうパンツはかない)
http://rinrin.saiin.net/~aor/fonts/fonts
WindowsXPによってインストールされるTrueTypeフォント(アドビ・サポートデータベース)
http://support.adobe.co.jp/faq/qadoc/AJ25.nsf/0/596ae6aded51bfba49256b2f003cb0a6?OpenDocument
バンドルフォント(栄光社)
http://www2.ocn.ne.jp/~eik/05-08bf.html
Office XP Professionalに含まれるフォント
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;417807#EDABAAA
●CDやDVDなどに収録された商品
パソコン販売店やネット通販などで、きれいにパッケージされて売っているものです。
何年か前までは、1書体を何枚ものFD(フロッピーディスク)に分けて収録したものもありました。
現在では1書体だけ収録した商品は稀で、ほとんどの場合、複数の書体がCDやDVDなどに収録されています。
100書体以上の日本語フォントが収録されていて1万円以下というお得な商品もあるようです。
●ネットからダウンロード
インターネットを利用して、圧縮されたフォントファイルを直接自分のパソコンにダウンロードします。一歩も外出することなく入手でき、すぐに使用できるので便利です。
アマチュアのフォント作者が制作した無料のフォントも、ネット上にはたくさん存在します。
この方式でのフォント商品の販売は、数年前から増え続けています。商品を大量に在庫しておく必要がありませんし、問屋や店舗などに支払う流通経費が無い分だけ、価格は安くなっているはずです。
●レンタル
印刷やデザイン業界向けに、数年前から始められました。買えば数10〜100万円以上する多種多様なフォントが、年会費数万円で自由に使える環境が得られます。
OSやアプリケーションソフトの進化に合わせた、フォントのアップグレードなども、年会費のみでサポートしてくれます。
随時、新しいフォントが追加提供されて、使えるフォントが増えますし、便利なソフトがオマケでついていたりします(LETS)。
プロフェッショナルな人たちだけではなく、ハイアマチュアとかフォントマニアの人にも喜ばれているようです。
昔、電算写植機という業務用の高価な組版機がありましたが、これに搭載されていたフォントもレンタル方式で提供されていたと思います(古い話ですね)。
LETS(フォントワークス)
http://www.fontworks.co.jp/
MORISAWA PASSPORT (モリサワ)
http://www.morisawa.co.jp/
WEBサイトで発表されているのは、5種の総合書体。アトリエフォントの文字達は、ちょっと変わった雰囲気を持っていて、既存の書体のどれにも似ているところがありません(お試しフォントも3種用意されています)。
今回は、その独自な世界を創り上げているアトリエケイの鈴木正広さんに、聞いてみました。
●アトリエフォントのサイト開設はいつでしたか。
パソコンでの書体制作は1995年で、サイト開設は2002年8月ごろからです。
●無料の字種限定版フォントの反応はいかがですか。
和文フリーフォントはマック用とウイン用の計6種のフォントがダウンロード出来ます。登録を義務付けていませんので実数は分かりませんが、月に30人程の人が訪れています。アトリエフォントは和風テイストで可愛いと言う声が多いようです。
●フォント制作に使用している道具やソフトウエアなどを教えて下さい。
まず、アイデアスケッチ用の紙と鉛筆ですね。その後の作業は全てパソコン上で制作しています。ソフトウエアはイラストレータ、フォントグラファ、漢字エディットキットです。
●制作する時の手順を教えていただけますか。
まずアイデアスケッチを見ながらイラストレータの書類上で、仮名文字用と漢字用のガイドラインの設計から始めます。このガイドラインが重要で、ここでしっかりと作り込んでおくと、後の作業がスムースに進みますね。
次に、ガイドラインを下敷きにしてペンツールで文字を描き進めます。(下書きはありません)その後、フォントグラファに1文字ずつコピー&ペーストします。
フォントのファミリー(ウェイト)はフォントグラファで太さを調整して制作します。最後に、漢字エディットキットでフォントデータ化しています。
●漢字を含めた日本語書体ひとつを完成させるのにどのくらいの期間が必要ですか。
大雑把な答えですが、アイデアを固めた時からおよそ3年は要していると思います。
●制作中に悩むこと、難しいと感じることはありますか。
漢字はある程度バランスを取りやすいのですが、かなやカタカナのデザインが一番むずかしいと感じています。かなが決まればフォントは出来上がったようなものですね。
●書体デザイン以外にどんな仕事をされていますか。
キャンペーンロゴ等とタグ・ネームラベル等のデザインと版下を制作しています。
●それらの仕事と書体デザインの仕事、時間とかエネルギーの配分は、どのようにされていますか。
書体デザインに費やす時間は約6割程でしょうか。ただし、収入は時間に比例しておりません。
●製品版の収容文字種が書体によって違うようですが、理由は…。
初期の頃のフォントは、半角用カタカナと第二水準漢字は制作していませんでした。私はほとんど使う場面が無かったのですが、半角用カタカナはウィンドウズユーザーに多く使われているようなので、その後のフォントでは、半角用カタカナと第二水準漢字のなかから400字程を追加しました。
今後すべて同じ収容文字種にする予定で作業中です
●製品版フォントで人気があるのはどの書体ですか。
デザイン業以外のユーザーには、かるた書体のようなカジュアルな書体に人気があるようです。
●自分の書体で一番好きなのはどれでしょう。
やはり最初に制作した和楽ファミリーに思い入れがあります。明朝体や隷書体のような貴族的な書体では無く、民衆の中から生まれた工芸的な臭いがする書体だと思っています。
●文字に興味を持たれたのは、いつ頃で何がきっかけだったのでしょう。
たしか中学二年生の頃だったでしょうか。新聞でレタリング講座の広告を見たのが切っ掛けでしたね。その新聞広告で、スーパーのPOPやお店のメニュー等をレタリングして生活している人がいることを知りました。単純に、自分にも出来るかなと思ったのかもしれません。
●書体デザインをする際に心がけていること、また、どんな勉強とか才能が必要だと思われますか。
私の場合、静岡生まれの自分と人様との違いは何なのかを発見することを大切にしています。なるべく人が目を向けていない分野の研究も必要でしょうね。それが個性につながってゆく筈だと信じています。
最低でも1ウェイト約4000文字を制作することになるので、しつこい性格も必要かな。千日を鍛として、万日を練とす…と言う言葉のように10年間ひたすら文字を創り続けることで、ようやく文字が見えてきたような気がします。…遅すぎるかな。
●影響を受けた書体や書体デザイナーを教えてください。
影響を受けたかどうかわかりませんが、中村征宏氏のナールが写植書体として出始めのころ、とても新鮮な印象として覚えています。明朝体、ゴシック体には無い、軽やかな時代の風を感じさせた書体でしたね。
●今後のフォント制作の予定などお聞かせください。
今は、最初にデザインした和楽書体のリニュアル作業に取り組んでいます。もともと和楽書体はバラつきのある書体ですが、もう少しフラットな文字組にする予定です。今後も、日本文化を反映させた書体創りを続けたいですね。
●現在、以下の3種の方法でフォントを販売されていますよね。
それぞれ体験して感じた、メリットやデメリットなど教えていただけますか。
・自分のサイトからの通信販売
販売にまつわる煩わしさも多いのですが、直接メール等でユーザーと接することで、人柄やフォントの使われ方などが見えてくることは、楽しいことです。
・市販のフォントパッケージに収録(データクラフト社FONTWIRE3400)
販売の煩わしさはありませんが、ロイヤリティは書体数割りなので、ロイヤリティのうまみはありません。
多くの人に自分のフォントを使ってもらうことで、書体の認知度が上がることに期待しています。
・デザイナー参加プロジェクト(FONT1000)
個性的なフォントがほとんどで、使われる場面がまだまだ少ないようです。他のフォントに比べると価格が割り高なのも、売り上げが伸びない原因かもしれませんね。
FONT1000はフォントの楽しさを広げる啓蒙活動だと思っています。
●いろいろと興味深いお話し、ありがとうございました。
アトリエフォント
http://www004.upp.so-net.ne.jp/A-kei/
和楽
http://www004.upp.so-net.ne.jp/A-kei/f_waraku.html
雅楽
http://www004.upp.so-net.ne.jp/A-kei/f_waraku.html
かるた
http://www004.upp.so-net.ne.jp/A-kei/f_karuta.html
喜楽
http://www004.upp.so-net.ne.jp/A-kei/f_kiraku.html
駿河
http://www004.upp.so-net.ne.jp/A-kei/f_suruga.html
データクラフト社 FONTWIRE3400
http://www.sozaijiten.com/products/fw-w/
FONT1000
http://www.font1000.com/
◆鈴木正広さんの略歴
1954年 静岡市生まれ
1977年 アトリエケイ設立
1979年 日本デザイン専門学校卒
1980年 NAAC展タイポグラフィ部門入選
1996年 国際タイプフェイスコンテスト入賞
1996年・98年・00年・04タイポグラフィ年鑑入選
2002年 タイポグラフィ講座講師(バンタンJスクール)
では、正当に入手したフォントを利用するときのルールについては、どうでしょうか?
ふつう、フォントには「使用許諾・利用許諾・ライセンス」などの名がついた文書がついてきます。そこに、フォントの制作販売者と利用者を取り持つ約束事がいろいろと記されているわけです。
今回は、その約束事のひとつ「商業利用」について調べてみました。
●どのような使い方を「商業利用」と言うのでしょうか?
商用使用・商用利用・商業使用・業務使用…などの言葉も、同じ意味として使われています。
印刷物の制作・映像物の制作・WEB制作・屋外表示物の制作・各種ロゴタイプの制作などが、商業利用の範囲とされているようです。
また、ソフトウエアや機器などに、フォントファイルを丸ごと含めたりすることは、ふつう「商業利用」の範疇ではなく、フォントの「搭載」や「バンドル」などと呼ばれる、別次元のお話しだと思います。
●フォントを購入しても商業利用することはできない?
せっかく気にいったフォントを見つけて購入したのに、そのフォントを商業利用するには「別途契約」や「追加料金」を必要とする、フォント制作・販売会社もあります。
●デザイン・印刷業界系のフォント制作・販売会社では
最初からデザイン・印刷業界を対象に書体を提供してきた会社のフォントは、「商業利用」についての制限は少ないようです。
デザイン・印刷というものが、最初から商業と密接な関係なのですから当然のことだと思います。
しかし、映像・放送での使用には制限がある場合が多いようですので、ご注意ください。
●パソコンの普及と共に発足したフォント制作・販売会社では
「個人利用」と「商業利用」を、はっきり区別して考えている場合が多いようです。
「個人利用」だけなら安価な製品、「商業利用」するならば高価な製品、と2系統に分けている会社もあるようです。
●ホームページやPDFでの利用には
WEBサイト制作や、PDFへのフォント埋め込みについては、ちょっと微妙で複雑です。問題ないというフォント会社もありますし、追加料金を必要とするフォント会社もあります。PDFへのフォント埋め込みを許可しないフォント制作・販売会社もあるようです。
●パソコンに最初から含まれているフォントは
パソコンのOSに最初から搭載されているフォントの「商業利用」についても少し調べてみましたが、あまりはっきりと記されていないようです。
パソコンに最初から入っているフォントが、商業利用してはイケナイものだったら、誰もパソコンを使わないし買いませんよね…。
・この記事は、インターネットで公開されている情報を元にして、まとめたものです。
・以下に掲載した情報は、製品フォントを制作・販売しているサイトに限らせていただきました。
・商業利用に関する情報が、はっきり掲載されているサイトを主に掲載いたしました。
・無料で頒布されているフォントでも、商業利用禁止というものがありますし、「商業利用」するときは、連絡や料金が必要な場合があります。
・入手済みのフォントや、これから購入を予定しているフォントの「商業利用」情報については、各自が、フォント制作・販売会社の公式サイトや、フォント製品に添付されている文書で、確認していただきたいと思います。
●ダイナコムウェア
http://www.dynacw.co.jp/
商用利用許諾について
http://www.dynacw.co.jp/license/business/index.html
●ニィス
http://www.nisfont.co.jp
ライセンス…使用許諾書
http://www.nisfont.co.jp/home/kyodaku/kyodaku1/kyodaku1.html
ライセンス…二次使用権
http://www.nisfont.co.jp/home/kyodaku/kyodaku2/kyodaku2.html
●リョービイマジクス
http://www.ryobi-group.co.jp/imagix/font/index.html
OEM・受託制作・商用利用許諾
http://www.ryobi-group.co.jp/projects/printing/products/f_oem.html
●イワタ
http://www.iwatafont.co.jp/
商利用権
http://www.iwatafont.co.jp/MO_USE/use.html
●モトヤフォント
http://www.shopgear.ne.jp/cgi-bin/affiliate.cgi?sid=motoshop&aid=o2002090201z
フォントのライセンスについて
http://www.motoyafont.jp/license/index.html
●千都フォント
http://www.screen.co.jp/ga_product/sento/index.html
ライセンス
http://www.screen.co.jp/ga_product/sento/license/index.html
●視覚デザイン研究所
http://www.vdl.co.jp/vdl/index.html
ライセンス(商用使用料金表)
http://www.vdl.co.jp/vdl/licence/index_l.html
●エイワン
http://www.aone-corp.co.jp
仕様と使用許諾書
http://www.aone-corp.co.jp/spec.html
●タイポグラフィックス解
http://www004.upp.so-net.ne.jp/font-kai/
使用許諾契約書及び製品仕様
http://www004.upp.so-net.ne.jp/font-kai/Estimate2.html
●たかデザインプロダクション
http://www.takadpro.com
ライセンス
http://www.takadpro.com/menu04.html
●シーアンドジイ
http://www.c-and-g.co.jp
ソフトウエア使用許諾契約書
http://www.c-and-g.co.jp/business/licence.html
●リコー
TrueTypeWorld
http://font.ricoh.co.jp/
商用使用許諾
http://font.ricoh.co.jp/solution/licence.html
●NEC
FontAvenue
http://www.sw.nec.co.jp/soft/font/
FAQ第5集(商用利用について教えてください)
http://www.sw.nec.co.jp/soft/font/faq_5.html#Q5
●モリサワ
http://www.morisawa.co.jp
モリサワフォントの商業利用に関して
http://www.morisawa.co.jp/font/info/commercial_use.html
●フォントワークス LETS
http://www.fontworks.co.jp/lets.html
業界別LETS
http://www.fontworks.co.jp/lets/gyoukai/index.html
●丸岡白舟印舗]
http://www.hakusyu.com/
お問い合わせ
http://www.hakusyu.com/qaform/kyodaku.html
●キヤノン
FontGallery
http://www.canon-sales.co.jp/Product/appli/fontgallery/index-j.html
使用許諾について
http://www.canon-sales.co.jp/Product/appli/fontgallery/permit.html
●タイプラボ
http://www.type-labo.jp/
よくある質問(Q & A)
http://www.type-labo.jp/QandAwaku.html
●マイクロソフト
マイクロソフトの著作物の使用について(フォント)
http://www.microsoft.com/japan/legal/permission/copyright.mspx#EJE
●アップル
MacOSX ソフトウェア使用許諾契約
http://store.apple.com/Catalog/Japan/Images/EA0157_MacOSX.html
MacOS9 ソフトウェア使用許諾契約
http://store.apple.com/Catalog/Japan/Images/EA0094_MacOS9.html
何年か前に、はじめて「idfont」のサイトを訪れた時、配布されているカナフォントの数と品質に驚きました。
それぞれのフォントから、使う場面を想像させる独特な雰囲気が伝わってきます。
カナフォントは、商標権の登録などしない限りは商用使用も可能。
漢字を含めた日本語フォントのほうも、私的な用途で営利を伴わなければ、自由に使用可能。
フォントを利用する側にはとてもありがたい条件で、フォントの頒布活動をされている井上デザイン・井上優さんにお聞きしました。
●私がidfontというサイトを発見したのは2003年頃だったと思うのですが、正式にサイトを開設されたのはいつだったのでしょう。
パソコンを手に入れたのが2000年の1月。フォントの制作もさる事ながら、公開するホームページの制作にも四苦八苦している状況の中、2001年1月頃Yahooのジオシティーにスペースを借りて、かなフォントの公開を試験的に始めたのが最初です。
そのような手探りの状況だったので皆さんに使用して頂くための活動は全くしていませんでした。
当然、何処にもリンクされることなく開店休業の状態でした。試行錯誤を繰り返しながら2002年の9月にテスト版の「懐風体」を公開するため、小さなサーバーにスペースを借りて新しくサイトを開設、気持ちの上ではこの時が正式な開設だと思っています。
2003年5月「懐流体1」を公開、直後に「窓の杜」さんの記事で紹介して頂いた事でアクセスが集中し、そのサーバーがダウン。その日の内にサーバーの管理者からサイトの閉鎖を通告され、あわてて移転したのが現在のサイトです。
この時を境にサイトを訪れる方が一気に増えた為、本格的にサイトの活動を始めました。
そのような訳で、多くの方は現在のサイトしかご存じ無いと思います。
●フォント制作をされているのは井上さんお一人だけですか。
フォント作りは趣味の様な位置付けなので、全ての作業を私一人でしております。
●フリーウエアとして配布されている29種のひらがなカタカナフォントに驚きました。これらの書体はいつごろから制作を始められたものですか?
2000年の秋頃だったと思います、フォントツール「TTEdit」の存在を知り試用してみると意外と簡単にフォントが制作できたので、早速遊びのつもりでかなフォントの製作に入りました。
ですから、フォントに関しての知識や制作する為の勉強など全くしていないズブの素人から始めたもので・・・今でも同じレベルで技術的な事などは良く分からず、余り進歩はしていません。
カナフォントの制作を始めた時に、100は出来るだろうと大胆にも三桁のフォント番号を付けましたが漢字を制作するようになって029で頓挫しています。
●そしてここ数年のあいだに、漢字も含んだ日本語書体7種13フォントを制作されていますね。こちらもかなりの仕事量だと思います。こちらの制作についても聞かせてください。
2002年の2月頃、初めての漢字フォント「懐風体」の制作に着手、同9月末に「懐風体2」として公開。
この時「懐流体」や「壊石体」の制作も始めていましたし「懐遊体」を公開した2003年12月頃迄は本業の時間をさいて制作をしていました。さすがに最近は制作のペースが少し落ちてきました。やはり還暦を過ぎると集中力も持続しなくなり、体力的にもきつくなって来ています。
それでも時間が有れば、公開済みのフォントの再チェックや第二水準が収録されてないフォントの追加制作、新しいフォントの構想など結構楽しんでやっています。
●本業のお仕事について、よろしかったら教えてもらえますか?
以前はチラシやDMなど印刷の仕事もしていましたが、主にペンキでパネルやテントシートなどに文字を書くことです。
特殊なところでは鏡の裏から文字やロゴマークを彫ったり(サンドブラストではありませんが)、今ではコンピュータでカッティングされた文字がお店のドアーやウインドウに貼ってありますが、古いお店などは昔ながらの金箔文字を希望される事もあり、そういった作業もします。その他、鏡像文字も35年余り書いております。
●フォント制作に使用している道具やソフトウエアなどを教えて下さい。
ソフトウエアは、武蔵システムさんのフォントツールTTEditとOTEditだけです。
道具に付いては「ぽっぷまる」を制作するときに下書き用にペンタブレットを使ってみましたが、使い慣れていない事も有り旨く使用できず、雰囲気さえ掴めれば良いと使い慣れたマウスに戻したので、結局これと言った道具は使用していません。
●制作する時の手順を教えていただけますか。
漢字を含む日本語書体の制作は、幾つかの漢字で簡単なデザインの特徴を決め、エディター上でそのパーツ作りから始めます。ある程度パーツが完成したら、それらを組み合わせて漢字を制作していきます。
あとは漢字制作の合間にカナや英数字を制作します。
40数年文字を書いてきましたので、その間に経験してきたものが頭の中に入っており、それらをディスプレー上に図形として再現していきます。いわば画面上で文字を描くような感覚で制作していますから、基本的にはガイドラインやグリッドを用いる位で、下書きなどを使用することは殆んどありません。
制作した中で唯一「ぽっぷまる」は、パーツを多用できなかったのでTTEdit付属の手書きエディターを使用して手書きフォントを制作、その手書きフォントを下書き原稿として利用、再トレースして完成させたため非常に時間が掛かりました。
一人での作業ですから同じフォントを長時間制作していると飽きてくるので、気分を変えるために同時並行で別のフォントも制作しています、手順はその時の気分次第なので一貫性はありません。
●漢字を含めた日本語書体ひとつを完成させるのにどのくらいの期間が必要ですか。
先にも述べたように幾つかの書体を同時に制作していますから、余り一つの書体に付いての期間を気にしたことはありません。書体にも依りますが第一水準漢字までを製作するのに半年〜1年くらい掛かって居るのではないかと思います。第二水準もセットするとその倍くらい時間ではないでしょうか。その中で第一水準完成までの最短は「懐遊体」の約4ヶ月、最長は「ぽっぷまる」の約1年位、多分です。
● 制作中に悩んだこと、難しかったことは。
使用していたパーツでは旨くその文字が表現出来ない時など、パーツのデザインを変更するかどうかですね。
変更すればそのパーツを使用した文字全てを再制作しなければならず、また最初と最後ではデザインに微妙な変化が出てきますので、全体の統一性を如何に確保するかで苦労することでしょうか。
●有償使用される人はどのくらいいるのでしょうか。
元々フォントを売ろうと思って作り始めたのではなく、個人が楽しむ年賀状やチョットした印刷物にでも使用して頂けたらと公開したもので、当初は商用目的への使用はお断りしていました。
しかし有償でも良いからぜひ商用への使用をと希望されるお問い合わせも頂く様になった2004年5月、個別に対応をするより使用料金をオープンにした現在の方法で受け付けさせて頂く事にいたしました。ですから有償で使用されている方は極僅です。
●人気があるのはどの書体ですか。
「懐遊体」や「懐流体」、最近公開させて頂いた「懐映体」なども良くご利用頂いている様です。
ダウンロードのログ等は収集していませんので正確な数字は分かりません。
●ご自分で気にいっている書体は。
全てです、どれも苦労した作品ですから、でもまだまだ不完全なので修正して行くつもりです。
●文字に興味を持たれたのは、いつ頃で何がきっかけだったのでしょう。
話は古くなりますが、私の父親は着物の図案家でした。小学生の頃から絵の具を砥いだり筆で簡単な色塗りを手伝ったりしながら(今から思えば、何時も父親の仕事を邪魔するように見ていたので遊びのつもりで筆を持たせてくれたのだと思います)育ったもので自分では後を継ぐつもりでいましたが、経験のため一度他人の飯を食べてきてはと弟子入りしたのが、当時20数軒の劇場(映画)看板を制作していた伯父さんの画房でした。
この画房では多くの職人が絵と文字それぞれ専門に分かれ制作に携わっており、たまたま17歳の頃に文字を書いていた兄弟子が一人退職したのを機にその席を継ぎ文字を書きを始めたのがきっかけです。
文字に興味を持ったと言うよりも、仕事の流れから自然に文字と付き合う方向に進んでいきましたから、文字が書けるというより下働きから一人前に筆を持つことが許された喜びの方が大変大きかった事を今でも記憶しています。その後無理を言って画房を退職、父親の後を継がず現在まで文字書き職人としてやってきました。
伯父さんであり我が師となる竹田耕清先生[1901-1976]は勘亭流の書家であり京都南座で毎年十二月に行われる歌舞伎の吉例顔見世興業を飾る「まねき看板」の揮毫者としても広く知られていました。
今年も師の後を継ぐ兄弟子の川勝清歩さんが書かれた「まねき看板」が南座の正面に掲げられ街ゆく人々に師走の訪れを告げています。また、画房では今でも従兄が手描きで映画の看板を製作しています。
●書体デザインをする際に心がけていること、どんな勉強とか才能が必要だと思われますか。
幼児がクレヨンで書いた文字でもデザイン性は十分にありますので、難しく考える必要はありません。
心掛けていると言うのではありませんが、文字としての書式等にあまりとらわれず個々の文字を図形や模様として捕らえるようにしています。そうする事で思わぬ形が見えて来るのではないでしょうか。
私自身フォントを制作し公開していますが、決して才能があるから出来たと思っていません。
特別に勉強した事もありませんし、たまたまそういった環境の中で育ってきただけと思っています。
「好きこそ物の上手なれ」と言いますようにフォントに興味があれば、誰でも自然に見たり聞いたりして身に付いていくのでは、と思います。
●影響を受けた書体や書体デザイナーを教えてください。
修行時代、先生や先輩たちは誰も文字の書き方など教えてくれません。先輩の書いている横で下仕事をしながら技術的な事を目で覚え、仕事が終わってからは新聞等の印刷物を参考に明朝体やゴシック体など文字を書く事を身体で覚えていきました。
運良く17歳の頃には文字を書かせて貰っていたので、製作用に提供される映画のポスターや宣伝用の資料などから書体やデザインを参考に、多くの看板を書いた事がその後の仕事に大きく影響しています。
頭の中にフォントファイルが入っているようなもので、スキャンすればさまざまな書体が見えるかも???
●今後もフォント制作は続けられますよね。これからの予定などお聞かせください。
良い経験をした、一番苦しくて一番楽しかった昭和35年(1960)頃を思い出しながら、今後も制作を続けたいと思います。余り時間は残っておりませんが、皆さんに気軽に使って頂ける少しレトロなフォントを一年に一つは公開したいですね。
●本日は貴重なお話し、どうもありがとうございました。
idfont
http://idfont.web.infoseek.co.jp/
フリーウエア カナフォント
http://idfont.web.infoseek.co.jp/kana-1.htm
懐映体サンプル
http://idfont.web.infoseek.co.jp/kana-1.htm
壊雲体サンプル
http://idfont.web.infoseek.co.jp/kumo/kumo-img.htm
壊石体サンプル
http://idfont.web.infoseek.co.jp/isi/isi-img.htm
懐遊体サンプル
http://idfont.web.infoseek.co.jp/asobi/asobi-img.htm
懐風体サンプル
http://idfont.web.infoseek.co.jp/kaze/kaze-img.htm
懐流体サンプル
http://idfont.web.infoseek.co.jp/nagare/nagare-img.htm
ぽっぷまるサンプル
http://idfont.web.infoseek.co.jp/pop-maru/pop-img.htm
◆井上優さんの略歴
1945年 誕生
1960年 劇場の看板を製作している画房に弟子入り
1967年 画房を退職
1967年 デパートの装飾等を手掛けていた工房勤務
1968年 浴場の鏡広告会社勤務
1970年 独立、井上デザインとして現在へ
今月5日からアニト-インラインの頒布を開始しました。
落ち着いた丸ゴシック系書体のアニトに、太いフチをつけて文字を白抜きにデザインしました。
タイトルなど、重要で目立たせたい場面で大きく使うと効果的だと思います。
このような立体的に見える文字装飾は、ワープロやお絵描きソフトなどの、フォントメニューにもありますし、グラフィック系ソフトをお使いでしたら、少し工夫すれば同じような効果を作れると思います。
しかし、最初からきちんとフォントになっていれば、やはり便利だろう…ということで作ってみたものです。
これまでの頒布フォントと同じように、字数制限された無料版と字数制限の無い商品版を用意いたしました。
●アニト-インライン(サンプル画像)
http://www.type-labo.jp/GIF.IMAGE/Anitoinline.gif
サンプルPDF(L、M、等幅、レリーフ、インラインの5ページ277k)
http://www.type-labo.jp/DATA/Anito.pdf
タイプラボ(無料版はこちらから)
http://www.type-labo.jp/
商品版のご購入はこちらから
http://www.type-labo.jp/Vectorwaku.html
【Ted Harrison氏とFontlab社(Pyrus)について】
●はじめに、ご自身とFontlab社についてお話ししていただけますか?
1990年にロシアのサンクトペテルブルクを訪問した時に、フォント編集ソフトウェア(現在のFontLab Studio)を開発したので世界的に流通したいという現地のソフトウェア会社を紹介されました。その会社と契約の後、FontLab Studioの最初のバージョンを流通させるためにPyrusという会社を組織しました。
2年後その会社はFontLab Studioに対する興味がなくなったため、私と私のパートナーでプロジェクトの主任プログラマーのYuri Yarmolaに売却をしました。その後、私たちはサンクトペテルブルクで開発を行い、アメリカで管理・製造・マーケティング・流通を行うFontlab社を組織しました。以降、徐々に成長し国際的に活動しています。会社は現在パナマにあり、世界中に販売網があります。
【Fontographer取得の経緯について】
●最初のアプローチは、Adobe社、Macromedia社、Fontlab社のいずれからだったのでしょうか?
Macromedia社からFontlab社に接触がありました。
●取得した具体的な物には何がありますか? Fontographerやそのソースコードまたは、人的リソースなど。
ソースコード、バイナリコード、ナレッジベース(知識基盤)と商標です。
●どのような理由、戦略から取得を決定したのでしょうか?
私たちが活かすことのできる「隙間市場」を見いだしたからです。もし私たちが、取得していなかったら、取得する企業がなかったかもしれませんし、競合他社に渡っていたかもしれません。また、Fontographerのプログラムコードには利用価値があると考えられる多くのアルゴリズムがあったからです。
●取得額はおいくらですか?
機密事項なので、お答えできません。
【Fontographerのこれからについて】
●Fontlab社の製品ラインアップ内での位置づけはどのようなものになりますか?
Fontographerは電子出版やグラフィックデザイナーのタイポグラフィックな需要に答えるものと位置づけています。日常の業務においてフォントを扱う方を対象とした弊社の入門レベルのフォント編集製品である、TypeToolよりも優れたツールを提供することです。
弊社のフラッグシップ製品である、FontLab StudioやAsiaFont Studioのように洗練されてはいませんが、商用のデジタル書体の制作をビジネスにしているプロのタイポグラファーやタイプデザイナー向けであるこれらの製品ほど高額でもありません。
●今後の開発の予定についておきかせください。
○Windows日本語版を開発する予定はありますか?
まだ、確固とした決断には至っていませんが、Mac版、Windows版ともに日本語版を開発したいと考えています。
○FontLab Studioへのアップグレードのみが提供される予定ですか?
いいえ。AsiaFont Studioへのアップグレードも用意する予定です。
○以下のような機能拡張を行う予定はありますか?
・操作時の画面表示のアンチエイリアス
・ヒントが適用された状態を画面上で確認できる
・フルカラーモニタ上での、各サイズの表示シミュレーション
私たちは、これらの機能、そしてこれ以外にも多くの機能を次のバージョンに向けて検討しているところです。現在は、Fontographerのバージョン5に取り組んでおり、来年リリースできればと考えています。
○他のFontlab社の製品とのユーザーインターフェースの統一を行う予定がありますか?
いいえ。Fontographerのインターフェースは多くの人々に愛されているので、新しいOSのインターフェースや機能と一貫性を保てる範囲で、現在のものを保つように努力します。
○その他何か予定はありますか?
今までにお答えしたほかにはありません。
【FontLab Studioのこれからについて】
●FontLab Studioのこれからについて以下のような予定はあるかお聞かせ下さい。
○日本語版開発の予定
前向きに検討しています。提携できる適切な日本のパートナーを見つけることができるかどうかにかかっています。
○日本で製品デモを行う予定
はい。来年早々東京で開催される予定になっているコンファレンス(詳細未定)でデモを行う機会があると考えています。
○日本語版ウェブサイトを追加する予定
間もなく、新しい日本語版のウェブサイトを作る予定です。
○日本語での問い合わせの対応の予定
これも、日本のパートナーを見つけることができるかどうかによります。
●AsiaFont Studioについて
○CIDフォント、CIDベースのOTFの生成の機能の予定はありますか?
既にこれらの機能は提供されています。
○漢字グリフのデザイン一貫性や生産性を支援するようなCJK(中国語、日本語、韓国語)向けの機能追加の予定は?
あります。漢字グリフのデザインを改善する多くの新しい機能が念頭にあります。
●FontLab Studio 5について
○どのような機能や改良点がありますか?
全てを挙げると長いリストになってしまいます。主なものには、改善されたプルーフ用の印刷機能やRoboFabのサポートによるワークフローの改善、改善されたインターフェース、Unicode 3.2および4.0のサポート、そして、改善されたType 1-CFFのヒンティングです。
【Fontlab社製品の顧客について】
●Fontlab社の製品の顧客はどのような人々ですか?
全ての製品がそれぞれ特定の市場をターゲットにしています。
・TypeToolとScanfontは学生やフォントを趣味にする人に使われています。
・TransTypeは主に出版会社に使われています。
・BitfonterとFontLab StudioとAsiaFont Studioはプロのフォント開発者に使われています。
・Sigmakerは企業に使われています。
・FogLampはFontographerユーザーがフォントをFontLabフォーマットに変換したい場合に使われています。
・FontFlasherはFlash Videoにフォントを埋め込む必要のあるウェブデザイナーに使われています。
●著名な書体メーカーはFontLab Studioを使っていますか?
全ての著名な欧米のフォントメーカーと多くのアジアのフォントメーカーがFontLab Studioを使っています。
マイクロソフト、アドビ、IBM、モリサワ、アグファ・モノタイプ、ビットストリーム、エミグレ、ライノタイプ、リコー、タイプバンク、アーフィック、ダイナラブその他の多くが、業務にFontlab社の製品を使用しています。
【問合せ先について】
●問合せ先を教えていただけますか?
○日本語での問合せ:残念ながら現在のところ、日本語が分かるスタッフはいません。
○英語での問合せ:info@fontlab.comへメールをしていただくことで、直接Adam Twardoch(顧客サービスマネジャー)に問い合わせていただけます。
ありがとうございました。
●Fontlab社ウェブサイト
http://www.fontlab.com/
●試用版製品ダウンロードページ
http://www.fontlab.com/Font-utilities/Try-out-FontLab-Products/
■聞き手
小澤 裕(おざわ ゆたか)
1971年 東京生まれ埼玉育ち
1990年 埼玉県立新座総合技術高等学校情報技術科卒業
1996年 千葉大学文学部文学科卒業
1997年〜2002年までアドビシステムズでタイプデザイナーとして勤務
1997年 ATypI参加(英レディング)
1998年 ATypI参加(仏リヨン)
2003年〜MG西欧カリグラフィスクールでカリグラフィを勉強中
2005年 MG西欧カリグラフィスクール作品展出品
2005年 タイププロジェクト参加
●タイププロジェクト
http://www.typeproject.com/
●タイププロジェクト > スタッフ(小澤)
http://www.typeproject.com/typeproject/staff/yozawa.html
21世紀を記録するための古くて新しい和字書体・漢字書体を設計され、活字書体に関する幅広い情報が蓄積されたサイト「欣喜堂★活字書体設計」を運営されている「欣喜堂」主幹・今田欣一さんにお聞きしました。
●今田さんは、平仮名・片仮名を総称するのに「和字(わじ)」という表記を提案されていますが。
「仮名」の反対語は「真名」であり、「漢字」に対しては「和字」のほうが望ましいと考えられます。真仮名や草仮名と明確にわけるということもあって、平仮名・片仮名については「和字」という表記を提案しています。「和字」は辞書にも載っていることばなので、多くの人に使われることを希望しています。
●写研在籍時代の「ボカッシイ」「いまりゅう」「今宋」をはじめ、フォントワークスの「はつひやまと」など、そして最近リョービから発売された「ぽっくる」などを設計されてきたと思うのですが、現在の欣喜堂サイトには、これらの書体は掲示されていますか。
掲示しています。リンクのページから見本・説明のページにいくことができます。
「ボカッシイ」「いまりゅう」「今宋」についてですが、石井賞創作タイプフェイス・コンテストに応募したのは個人ですが、これを商品として制作したのは株式会社写研です。わたしはほかのスタッフと同様に社員として参加したに過ぎません。ですから、法人としての欣喜堂とはまったく関係のないものです。
また「はつひやまと」などは欣喜堂で制作していますがフォントワークスに著作財産権を譲渡していますし、「花蓮華」の平仮名・片仮名などはリョービ・イマジクスからの委託で制作したものです。本来なら、これらの書体は当社のウェブ・サイトに掲示すべきものではありませんが、記録として残しておくということで、このような扱いにしています。
●今田さんは常に独創的な書体デザインをされていたと思うんですが。
石井賞創作タイプフェイス・コンテストに入賞したものだけしか注目されていませんが、じつは本文用の書体も応募しています。これらは力不足で落選したので、残念ながら日の目をみることはありませんでした。さらには社員として携わった多くの書体があります。これらもふくめて、海中の氷山もみていただければと思います。
石井賞創作タイプフェイス・コンテストは商品企画のプレゼンテーションではないので、一社員として日常の業務では実現できない発想でという思いがありましたし、石井賞創作タイプフェイス・コンテスト自体が実験的な場として存在しているという認識でもありました。入賞したものについては、さまざまな実験をもりこんで設計できており、その目的は達成されたと思っています。
実用を度外視した「実験の時代」はすでに終わっています。今は高度成長期ではありませんし、わたしも20歳代ではありません。齢を重ねて社会的な役割も違ってきています。20年も前の書体や、自分の過去にとらわれるべきではなく、未来に向かって踏みださなければなりません。
いっぽうで、わたしが「独創的」あるいは「個性的」ということばをもちいるとき、たとえば他社にもあるような明朝体やゴシック体にこだわって制作していたり、たんに金属活字への懐古趣味にはしって覆刻(かぶせぼり)で制作したりという風潮にたいしての警鐘という意味合いをこめています。
当社の「和字Revision 9」「和字Traditional 9」「和字Succession 9」の和字書体3部作は、ほかに類のないスケールの大きさということでは、企画として「独創的」であり「個性的」でもあるとの自負があります。また、これらにふくまれる書体の多くは、いままでほとんどとりあげられることのなかった素材で、未来のために残しておきたいものばかりです。
●最近の Revision 9・Traditional 9・Succession 9 の和字書体3部作は、古い出版物などから和字を抽出して活字書体として再生されていますが、このような手法をとるようになったきっかけはなんだったのでしょうか。
手法としては「秀英明朝」「ヘルベチカ」「艶」など、社員として過去に携わった書体と変わるものではありません。「はつひやまと」なども同様で、その延長上にあります。ですから、突然あたらしい設計手法にとりくんでいるということではなく、ただ発展させているに過ぎません。
ある大学の教材で欧文書体の解説書があることを知り、学生が日本では母国語ではない欧文にしか興味をもたないというのではなさけないと思ったのです。そこで、とくに和字書体についてその歴史を把握できるような書物ができないか、タイポグラフィ関係の書物を多く出版している「朗文堂」にその企画をもちこんだところ、「ヴィネット」のシリーズでやりましょうということになりました。それが『Vignette05 挑戦的和字の復刻』です。
この書物のために、当社では和字書体も制作していたので、せっかくだから、デジタル・タイプとしても販売しましょうかということになりました。ですから「ヴィネット」の副産物として「和字 Revision 9」ができたということです。
●3部作のそれぞれを、わかりやすく説明していただけますか。
『Vignette05 挑戦的和字の復刻』(2002年 朗文堂)から誕生した「和字 Revision 9 」では、9書体それぞれが「点」として存在しています。江戸時代以前の和様体(連綿を基調にした書風)、明治時代以降の本様体(一字一字が独立した書風)、時様体(いわゆるゴシック体風)がバランスよく収容されています。
つづいての『Vignette11 和漢欧書体混植への提案』(2003年 朗文堂)から誕生した「和字 Traditional 9 」をくわえて、あわせて18書体となり、「線」として歴史的なつながりをもつようになりました。結果的には和様体が多く収容されています。
さらに『Vignette14 和字─限りなき前進』(2005年発売予定 朗文堂)から誕生した「和字 Succession 9 」においては「線」からさらに発展して、「面」をつくることをめざしたものです。これは和字書体としての分類を考えてのことで、本様体を中心に収容されています。
●使用している道具やソフトウエアなどを教えて下さい。
このプロジェクトに関しては、Macromedia(現在はFont Lab)の Fontographer 4.1Jと、Roll-Up Tool Mac 1.5JおよびBass-Packer2.5(いずれも株式会社エヌフォーの漢字エディット・キット2.5同梱)を使用しています。
●それらの和字書体の制作手順を教えていただけますか。
まずは参考とする資料から書風を把握することから始めます。つぎに資料のスキャン・データをFontographerのテンプレート・レイヤーに配置していきます。これを下図にして、ペン・ツールを使ってアウトライン・レイヤーに双鉤填墨するわけです。場合によってはオート・トレース・ツールを使うこともあります。
つぎにポイントやBCPラインを、選択ツールなどを使って調整します。この場合でも、書くという行為を忘れてただアウトラインに執着することがあってはなりません。さらには文字列のなかで見て違和感のないように、全体のなかでの、筆遣い、大きさや太さなどが調和しているかどうかを確認しながらすすめます。また、資料には存在しなかった不足の文字はあらたに制作します。
最初に制作する、いわゆる清音および撥音(ん)、音引き(ー)や、くりかえし記号(〃々〆)につづいて制作するのは濁音および半濁音です。 Fontographer の「リファレンスをコピー」という機能をもちいて、該当する清音を流用し、そのうえで濁点および半濁点もまた「リファレンスをコピー」という機能で付加していきます。完成したら「リファレンスのリンクを解除」します。
促音(っ)および拗音は、清音を縮小したうえで加工して作成します。縦組および横組では位置が異なっているので、それぞれ清音との組み合わせをみたうえで適正な位置に配置します。基本的には促音・拗音の中心ラインを揃えます。
約物(句読点類や括弧類)も和字書体のフォントにふくまれます。句読点類は基本的には縦組用を制作したうえで、位置を移動したり回転させたりことにより、横組用として流用します。括弧類は、「起こし」を反転させたり回転させたりして「受け」を制作し、それらをさらに回転させて横組用を制作します。
最後に、字並び、姿勢、寄り引きを調整します。活字書体は一字一字の形象ではなく、文字列として評価されるものなので、文字が単体として完成されたものであっても、ほかの文字との関係の中では不具合となってしまいます。この調整には独自に工夫した専用ゲージをもちいています。
和字書体制作の全工程が終わると、テスト出力と微細な修整をくりかえすことになります。基準となる使用サイズは、テスト出力の段階ではじめて目で見て確認できるのです。この確認のためには、全字種全組み合わせの出力物や、さまざまな文章組みの出力物を作成しています。
以上が基本的な設計手順ですが、それぞれの書体によってことなっているところがあります。
●和字書体ひとつを完成させるのにどのくらいの期間が必要ですか。
書体によってことなるので、一概にはいえません。
●和字書体3部作の後も和字シリーズは続くのでしょうか。
3部作ですので、いまのところ第4弾は考えていません。具体的にはまだ決定されていることではありませんが、個人的には、それぞれの書体のさらなる研究と、実用に即したファミリー・システムの構築をすすめていきたいと思っています。
●昨年秋に発売された「正調明朝体 Combinetion3」にふくまれる「金陵」を皮切りに、これからは漢字書体をメインに制作されるのでしょうか。
日本語書体は、和字書体と漢字書体、さらには欧字書体との組合せによってなりたっています。さらに和字書体を生かすためには新しい漢字書体設計・制作しなければなりませんが、漢字書体は大きなフォントになりますので時間がかかります。あせらずに取り組みたいと思います。
和字書体と同様に、漢字書体もそれぞれの時代を代表する個性的で豊穰な書体群があります。これらを知らないまま使うことができない状況にあるのは、日本人としても不幸なことです。これらを紹介し、できれば選択肢に加えていくことが、活字書体設計に携わる者としての責任ではないかと思います。
「温故知新―ふるきをあたためてあたらしきをしる」ということばがあります。これは「過去の伝統を固守するのではなく、現代の火で温めなおして、新しい意義を見いだす」という意味です。「復刻」においては現代の火で温めなおすということが重要なのです。
漢字書体もその歴史を把握できるように、せめてウェブ・サイト上だけでも構築させたいので、とりあえずは試作レベルで充実させておきたいと思っています。そのなかからユーザーのニーズを考慮して、現在において必要性の高い書体を開発していきたいと思っています。
●シリーズ最初の Revision 9 の販売開始から約2年半。どのような反響がありましたか。
書物の装幀からはじまって、新聞の広告や映画のタイトルなど、はばひろく使われているのをよく見かけるようになりました。雑誌での本文組みなどでも使われるようになったようです。古くて新しい未来志向の書体が、じっくり浸透していくことを願っています。
(ここから後は、皆さんにお聞きしているお決まりの質問です)
●文字に興味を持たれたのは、いつ頃で何がきっかけだったのですか。
文字ということでは、小学生の時に漫画を描いたり壁新聞を作ったりしていたときです。そのタイトル文字をきっかけに日本通信美術学園のレタリング専科という通信教育を受講しましたが、なにしろ小学生だったのでひどい成績でした。活字ということでは、高校時代に発行していた謄写版刷りの同人誌からですが、あくまでも趣味程度のことでした。
活字書体設計が仕事になったのは、大学を卒業して就職したのが写植メーカーで、配属されたのが書体設計部門だったからです。別の会社に採用されていれば、もちろん活字書体の設計をしていなかったでしょう。
●書体デザインをする際に心がけていることはありますか。
客観的にみることです。簡単なようで、なかなかできません。
●書体をデザインするには、どんな勉強とか才能が必要だと思われますか。
あらゆる方面での知識・教養が必要になるので、いまだに毎日毎日が努力の日々です。
●影響を受けた書体や書体デザイナーを教えてください。
写植メーカーに就職してから、社外の人と交流することはほとんどありませんでした。橋本和夫さん、故石川優造さん、故鈴木勉さんらは、職場の上司として少なからず影響を受けたといえます。その2年後に鳥海修や片田啓一(現在字游工房)が入社し、小林章(現在ドイツ在住)らがつぎつぎに入社してきた1980年代前半は、それなりに楽しく充実した職場でした。
影響を受けた書体としては、当時携わった「秀英明朝」や、「ヘルベチカ」「かな民友」「紅蘭宋朝体」などがあげられます。
●本日は、どうもありがとうございました。今田さんの最近の活動がよく解かりました。これからも活字書体の研究と開発が進むことを願っております。
◆今田さんの略歴
1954年岡山県和気町うまれ。1997年有限会社今田欣一デザイン室・代表取締役。2000年欣喜堂・主幹。主著に『タイプフェイス・デザイン事始』(2000年 ブッキング)、『Vignette05 挑戦的和字の復刻』(2002年 朗文堂)など。タイポグラフィ学会会員。日本グラフィック・デザイナー協会会員。
◎欣喜堂★活字書体設計
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/kinkido/
◎CD-R版デジタル・タイプのご購入はこちらへ 販売:株式会社朗文堂
http://www.ops.dti.ne.jp/~robundo/
◎ダウンロードでのデジタル・タイプのご購入はこちらへ 販売:DEXWEB
http://www.dex.ne.jp/download/font/index.html
今月、セプテンバー等幅フォントの頒布を開始したついでといっては何ですが、等幅フォントとその周辺の情報を集めて見ました。
●等幅フォント(とうはばふぉんと)
字幅が固定されている欧文フォントのことを、等幅フォント(固定幅フォント)と呼びます。
文字の形にかかわらず、ある一定の文字幅ですべての文字がデザインされています。
「i」も「M」も他の文字も、同じ幅で表示されます。
プログラミングの世界では多用されています。また、複数行で行末を揃えたいときには便利です。
【typewriter font】とか【monospace font】と、呼ばれることもあります。
初期の欧文タイプライターで使われていた文字は、すべて同じ字幅でした。
●プロポーショナルフォント
文字ごとに字幅が異なる欧文フォントは、プロポーショナルフォント(proportional font)と呼ばれます。
文字の間が均等に感じるように、文字ごとに適切な字幅を与えて美しくデザインされています。
「i」などは狭く、「M」などは広く作られています。
・欧米の印刷物などでは普通プロポーショナルフォントが使われます。
…………………………………………………………………………………………
あなたは、このページをどちらのフォントで見ているのでしょう?
ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ
abcdefghijklmnopqrstuvwxyz
上のアルファベット2行の右端(Zとzの位置)が揃っていれば、等幅フォントです。
2行の右端(Zとzの位置)が揃っていなかったら(たぶん下の行が短い)、プロポーショナルフォントです。
ほとんどのメールマガジンでは、購読者が等幅フォントを使用して読んでいただくことを前提に、レイアウトを整えています。
…………………………………………………………………………………………
●日本語フォントの場合、漢字などの2バイト文字と較べて、1バイト文字(ASCII文字)の横幅が50%で作られたものを「等幅書体・等幅フォント」と呼ぶのが一般的なようです。
・Windows用に提供されている日本語フォントの殆どは、ASCII文字が半角等幅です。
ワープロ専用機やMS-DOSパソコンなどから引き継がれたのでしょう。
・Macintosh用に提供されている日本語フォントの殆どは、ASCII文字がプロポーショナルです。
こちらは欧米の文字文化を引き継いだのだと思われます。
・タイプラボの通常のフォントは、ASCII文字がプロポーショナルです。
・タイプラボの等幅フォントは、ASCII文字を半角等幅にしたものです。
●1バイト文字(いちばいともじ・しんぐるばいともじ)
半角英数字(ASCII文字)、半角カタカナなど、1バイトという単位で識別できる文字のこと。「半角文字」「ANK文字」ともいう。
それに対して、漢字やひらがななど、2バイト単位で識別できる文字のことを「2バイト文字」や「全角文字」という。
●ASCII文字(あすきーもじ)/JISローマ字(じすろーまじ)
ASCIIとは、「American Standard Code for Information Interchange」の頭文字を並べたもの。
国産版ASCII文字は「JISローマ字」と呼ばれる。
主な違いは、ASCII文字の「バックスラッシュ」が、JISローマ字では「円記号」として表示される。
いま世界中で一番使用されていて、どこの国でも通用する文字セット。
したがって、EメールのアドレスやホームページのURLの表記には、普通はこの文字を使います。
OSや文字入力システムによって違いがありますが、「半角英数入力」とか「英字モード入力」とかの状態で入力します。
●半角文字(ハンカクモジ)
活字印刷の世界では日本語文字は通常正方形(全角)であるが、縦横どちらかの寸法を50%にしたものを半角と呼ぶ。
パソコンの世界では、アルファベットや数字、記号など、横幅が漢字の50%で表示される文字のこと。
単に、1文字を1バイトで表現する「1バイト文字」(ASCII文字やANK文字)のことを半角文字と呼ぶ人も多い。
●ANK(あんく)
Alphabet Numeric Kanaの略。1バイトで表現できる文字の集合。アルファベット、数字、半角カタカナが含まれる。
お待たせ致しました!以前からご要望の多かったセプテンバー等幅フォント。予定は夏とお知らせしてまいりましたが、6月2日に頒布開始いたしました。
これまでの頒布フォントと同じように、字数制限された無料版と字数制限の無い商品版を用意いたしました。
セプテンバー等幅(サンプル画像)
http://www.type-labo.jp/GIF.IMAGE/Septmono.gif
サンプルPDF(L、M、等幅、の3ページ596k)
http://www.type-labo.jp/DATA/Sept.pdf
タイプラボ(無料版はこちらから)
http://www.type-labo.jp/
商品版のご購入はこちらから
http://www.type-labo.jp/Vectorwaku.html
1作目の「鯨海酔侯」フォントが発売されたのが2002年の10月。今年の春に発売された「天真」が10番目の製品。それぞれが違う味わいを持った個性的な毛筆書体フォント。それが白舟書体の「デザイン筆文字シリーズ」です。
その魅力的なフォントを制作された(株)丸岡白舟印舗の丸岡雅憲さんにお聞きしました。
●丸岡白舟印舗が、従来の印章の仕事だけでなく、デジタルフォントを制作するようになったのは、どのようなきっかけがあったのでしょうか。
印章の業界誌がありまして、もう10年も前のことですがそれに連載記事を書いていました。パソコン関係の記事でして、その中で「本当にはんこやさんの現場で使えるいいフォントって少ないよね」という話しから、なければ作ればいいじゃないか・・・ということで篆書のフォントを作りはじめたのがきっかけですね。
その篆書のフォントがシヤチハタ(株)さんの篆書に採用されて、それ以来シヤチハタの文字に関する社外顧問もさせて頂いています。
●「印章書体」のフォント化で培ったノウハウを生かして、次の「デザイン筆文字」フォントに発展していったのですね。これも何かきっかけがありますか。
マール社さんの「デザイン筆文字」の書体集の本がありますよね。あれがデジタルフォントであったらなぁ・・・と思っていたことが根底にはありますね。
また、「変わった字で作ってほしい」とゴム印なんかを頼まれることもありましたから、それなりに書いたりはしていました。
ある日近所の知り合いの串カツ屋さんで、短冊に書かれたお酒のメニューを見て「これだ!」って、そのお店に出入りの酒屋さんが書いていらっしゃるという事で、彼の場合はすでに完成したスタイルを持っていましたので交渉して字母を書いて頂きました。
こう書くとなんか飲兵衛のようですが、私はさとうさんほどは飲めません、念の為。
●このシリーズに関して、丸岡さんは、プロデュースとディレクションをされたと思うのですが、楽しかったことやご苦労されたことを聞かせていただけますか。
自分で書くより、こういう企画をしたり、書く指導というか演出をすることに結構向いているのかなぁと、自分でも思いますね。楽しくても、苦労したという感じはありませんね。
またこれは企業秘密(笑)なんですが、字母の制作依頼をする時、完成された自分のスタイルを持っていない方(まずほとんどそうですが)には「イメージのフィードバック」という事をします。
例えば「侍」ですが、最初はこのフォントに「侍」という名前はありません。最初は「かすれを多用した荒々しい文字で」とお願いしました。そして試しに書かれた文字を私が見てイメージしたものを何らかの具体的な言葉にするんです。
この場合、「黒澤明の映画のようだ」と感じたので、その旨のことを字母制作の中島先生にお話ししました。そして、先生はそれを聞いてさらにその文字に対するイメージを膨らませて頂くのです。何度かそれを繰り返す事もあります。
また、そのイメージをもとに具体的に文字のデフォルメをする時にも方法があります。
つまり、単純な字形から一気に面白い字形にするのはとても難しく大きな才能がないとできません。そこで、何文字分か(20〜50字)の文字をそのイメージで少しアレンジして書きます(少しが大事)そうするとその中にきっとイメージに合ったアレンジが出来た文字が、いくつか出来てきます。そこでそれを参考にしてさらに、最初よりもう少し多めにデフォルメしたものをまた20〜50字書きます。こういう事を少し繰り返して、少しづつ変形し具体的な字形を決めていくのです。
つまり、こんな感じで演出(ディレクション)をしていきます。
●原字を制作された書家の方とは、どのように知り会われたのでしょうか。
お一人を除いて、全員以前からの知り合いです。そのお一人は親戚の者の紹介です。
鯨海酔侯の井上さんは酒屋のご主人ですが、それ以外でもバラエティに富んでますよ。
はんこやさん、ウチの会社の女の子、時計屋さんの主人、印刷屋さんの娘さん、お好み焼屋の女将さん、書道塾の先生などです。ほとんどがウチの会社の近所、半径10kmに住んでらっしゃる方ばかりですね。
だからといって素人ではありませんよ。趣味にしろ、仕事にしろにいろんな場面で常に何かしら毛筆文字を書かれている方、つまりはある意味プロの書家といえる人たちですね。
●複数の書家の方々と協力して作られている、このデザイン筆文字シリーズの制作手順を判りやすく教えて貰えますか。
まずは、字母制作者をこちらで決めます。
その方と、デザイン筆文字といいますか、創作筆文字についてのお話しをします。
先に書いたような演出をしながら、契約をして字母を書いてもらいます。
そしてそれをスキャンし、アウトライン化します。
でもそのままの状態で、フォント化すればこういう文字ですから、データ量が多いのでフォントをインストールした時に不具合が出る可能性があります。
ですから、少し特殊な処理をして、アウトラインの特徴を壊さずにデータ量を減らします。そして、寄り引きをして大きさを整えて、仕上げます。
●「寄り引き」とはどういう作業でしょうか。
フォントを使って文字をよこ組やたて組に並べた時に、大きさや位置が視覚的に均一になるように文字を1字ずつ調整することですね。
デザイン筆文字で実際に1つのフレーズを書く時は、大きい文字や小さい文字を意識的に混ぜて書きますし、蛇行して書いたりすることが常ですので、逆に全ての文字を揃えるのは難しいことですね。
それでなくても私はこの作業がへたくそなので、苦労します。
私の場合「寄り引き」の意味の中に太さの調節も入れてお話ししていますが、この太さの調節も毛筆書体のフォントにとって曲者です。
字母を書いた時、最初と最後で揃わないのが普通ですからね。
●書家の方が書いてくるサイズもいろいろですよね? 元になる原稿はどんな状態だったのでしょう。
基本的に好きなように書いて頂いていますので、文字の大きさや紙の種類もバラバラですね。
最初にあまりいろいろ制約をつけると、字が縮こまってしまいますからね。
太い文字、例えば「隼風」「魂心」「白雨」なんかは20cm角ぐらいの紙に書きますから、字母だけで大きな押入れ用のプラスチックコンテナ一杯になります。置き場所困ってます(笑)。
また、いくらがんばっても約3500字を書くと最初と最後で字形が違ってしまいます。
これはいくら馴れた方、上手な方でも同じですね。
ですから、最後までゆくと、また最初から書いてゆき、納得のいくところまで書いて頂きます。
●原字をデータ化していく際に、何か気をつけていることとか、心掛けていることはありますか?
勿論、字母の持つイメージを壊さないように、且つデータが少しでも軽くなるようにと心掛けます。
これは相反する事項ですね。
最近はパソコンの性能が高いので、データ量の大きなフォントでも大丈夫ですが、小さいにこしたことありませんから。
●途中からサイト上に、開発中のデザイン筆文字8書体を公開してアンケートを募りましたが、その結果は製品化にどのような影響を与えましたか。
アンケートは当てにならないのかなぁと(笑)。結果に少し惑わされてしまったところがありました。
好きな書体、面白いなぁと感じる書体と、仕事に役立つ書体は違うのでしょうね。
●デザイン筆文字シリーズの販売が始まって約2年半。丸岡さんの考えていたような反応でしょうか。
そう思います。自分の感覚、イメージを受け入れて頂けたと思っています。たいへん有り難いことです。
何かの本に書いてあったのですが、今、エコロジー・高齢化・健康志向などいろんな社会のニーズが「和」に通じているということで、毛筆書体やデザイン筆文字にとっていい時期なのかもしれません。
●今年の春に10作品揃ったわけですが、この後もデザイン筆文字シリーズは続くのでしょうか。
少しばかり充電しようと思います。今の時点では何ともいえません。
このシリーズは、すぐれた字母制作者がいなければなりません。今までの方は以前からの知り合いでしたから結構スムーズに行きましたが、新しい方とのお仕事は結構難しいと思いますね。
いやいや、わからないだけで、まだまだ身近にいるのかもしれませんけどね…
●半径10km以内でこれだけの才能が見つかるってすごいことだと思いますよ。
ところで丸岡さんご自身も、印章文字など書かれるのですか。
仕事として、印章の職人として働いていたのですから、もちろん書きますよ。書くだけでなく彫りますしね(^^;) 手彫りの印章(印鑑・ゴム印)では書くのはもちろん、それを印刀を使って彫ります。今は機械を使いますが、昔は全てまったくの手作業だったんですよ、まあ当たり前のことなんですが。
法人の銀行印(二重丸になっていて、回りに○○株式会社、中に代表取締役となっている印鑑)なんかは小さな文字になると2mm角ぐらいになります。
そんな文字を手彫りするんですから、一般の人がみたら「職人技」と見えるものですね。また活字印刷の頃、印刷屋さんからの注文で、外字やマークなどを駒と呼ばれる柘の材料にだって彫っていました。
最近はまた原点に返り、私のはんこ屋としての兄貴分(?)のように、こんな事もできたらいいのになあ・・・なんても考えています。
http://www13.plala.or.jp/jutusyodo/saikin.html
●今回は、いろいろと毛筆フォントの制作過程など教えていただき、ありがとうございました。
白舟書体サイトでは、無料の毛筆フォントや印章などもいろいろ提供されていて、運営も大変だと思いますが、多くの毛筆書体ファンのためにもずっと続けていただけるよう願っています。
◆デザイン筆文字シリー ズ
「隼風(しゅんぷう)」………………字母制作:稲垣久美子
「唐草(からくさ)」…………………字母制作:小嶋 明
「桜花(おうか)」……………………字母制作:來住和子
「魂心(こんしん)」…………………字母制作:藤本めぐみ
「静月(せいげつ)」…………………字母制作:藤本静代
「白雨(はくう)」……………………字母制作:稲垣久美子
「天真(てんしん)」…………………字母制作:藤本静代
「鯨海酔侯(げいかいすいこう)」…字母制作:井上稔也
「京円(きょうまどか)」……………字母制作:小林圓佳
「侍(さむらい)」……………………字母制作:中島卜魚
◆丸岡雅憲さんの略歴
1957年 兵庫県生まれ
1980年 山梨大学工学部精密工学科卒(産業用ロボット専攻)
1982年 家業の印章店を継ぐ
1993年 書体制作を始める
1996年 印章業界でのフォント販売開始
1997年 Webサイト「白舟書体」開設
2000年 法人化 シヤチハタ(株)文字に関する社外顧問
白舟書体(丸岡白舟印舗)
http://www.hakusyu.com/
あいかわらず、ソフトウエア(フォントも含めて)の違法コピーは、後を絶ちません。
簡単にコピーできるのだから正規に購入しないでコピーしてしまえ…、という考えの人もいるようです。
しかし、簡単にできるからといって「万引き」は許されるでしょうか。
欲しいものは何でもタダで自分の物にしてよいのでしょうか。
ふつう、商品を購入した人が払った代金は、その商品に関わった人達に還元され、その後も便利で使いやすい商品が市場に提供されるわけです。
時間と手間をかけて育てた作物を、黙って持っていかれたら農家は困ります。生活できません。それと同じことです。
個人同士が、自分が所有しているデータをネット上で自由に交換できるソフトウェアやシステムも存在します。自分が作ったモノを無料で多くの人に公開したい時…などに使えばとても素晴らしい方法だと思います。
しかし現状では、作者(または権利所有者)に無断で、ソフトウェアや音楽ファイルが公開され、やりとりされているようです。
ナイフも薬も携帯電話も自動車もパソコンもインターネットも…とても便利なものですが、使い方を間違えれば人の迷惑になり犯罪になってしまいます。どうか、使い方を間違えないで、生活に仕事に活用していただきたいと思います。
以下に、フォントに関連する最近の著作権侵害事件2つと、著作権・プライバシー相談室を紹介します。
●「ホットライン」でフォントプログラムを無許諾アップロード
フォントをコピーして他人に譲っても、自分がお金を得ていないのだから構わない…、と思っている人もいるようですが、本来有料のものが無料で配布されていたら、そのぶんだけ正規の商品が売れなくなるわけですから、作者や正規品の販売に関わる人達は大迷惑です。そういう行為をすると著作権法違反で逮捕されるかもしれません。
http://www2.accsjp.or.jp/news/news050223.html
●フォントプログラムの無断インストール販売
販売した人達に罪があるのはもちろんですが、海賊版と認識して購入し使用した人も、著作権侵害とみなされ、刑事罰(平成17年1月1日より、個人の場合は5年以下の懲役刑か500万円以下の罰金刑、もしくはその併科。法人の場合は、1億5,000万円以下の罰金刑)や、損害賠償の対象となることもあるそうです。
http://www2.accsjp.or.jp/news/release040929.html
●著作権・プライバシー相談室 ASKACCS
デジタル時代の情報モラルを考えるサイト。著作権に関するQ&Aもあります。
http://www.askaccs.ne.jp/
このページで、これまでに何回か掲載している「AXISフォント」。
作者の鈴木功さんが運営するサイト「タイププロジェクト」は、情報がとても充実していて、AXISフォント制作記録なども載っています。今回はできるだけ重複を避けた質問をさせていただきました。
●独立して最初に発表した仕事がAXISフォントでしたよね。
7ウエイト揃った日本語の総合書体ということが私には驚きでしたけど、これを作りたくて独立したのですか。
はい、AXISフォントを作るために会社を辞めました。
「よし、行くぞ」という感じです。
●鈴木さんのフォント製作の手順を教えて貰えますか。
B5サイズの大学ノートかコピー紙の裏に、青色か黒色のサインペンでこんなのはどうかなと文字のアイデアをスケッチするところから始まります。
そうやって文字のスケッチをたくさんストックしておいて、ここぞというときにノートを引っぱり出すというパターンが多いです。
漢字は、字面の大きさや線の太さなどを決めたらすぐにMacで作り始めます。
仮名はペンで書いたスケッチをスキャナで取り込み、グラフィックソフトのアドビ・イラストレーターでアウトラインをとります。
あとはひたすら修正/確認の繰り返しです。
●使用している道具やソフトウエアなどを教えて下さい。
メインマシンは、アップル社のeMacです。
OSはMacOS9、アプリケーションは、書体制作の全行程の9割以上がイラストレーターで、あとはいろいろな人の助けを借りながらフォント化しています。
おおよそですが、イラストレーター→フォントグラファ→ヒシキCIDフォント作成ツール→アドビ・フォント・デベロップメント・キットという流れです。
●制作中に大変だったこと、楽しかったこと…を憶えていますか。
書体制作はいろんな段階で楽しめます。
たとえば、いいアイデアが浮かんでそれがスケッチで表現できたとき。
そのスケッチをスキャナで取り込んで、アウトラインをとった文字をいくつか並べてみたとき。
修正した結果、文字がよりよいものになっていくとき。
データ化されたフォントをキーボードで打って文字が表示されたとき。
そのフォントで組んだ文章をプリントアウトした紙を手に取ったとき。
最後に、一番うれしいのは、自分以外の人が自分のつくったフォントを使ってくれて、実際にそのフォントが使われているのを見たとき。
日本語書体の制作はしんどいですが、それをおぎなって余りある喜びを長期にわたって与えてくれます。
AXISフォントの場合は構想を練るのが楽しかったです。
●発売されてから1年10ヶ月過ぎましたが、反応はいかがですか。
ここ半年ほどいろいろなところでAXISフォントを見かけるようになりました。
期待していたほどは売れていませんが、それでも書体制作で生計をたてるだけの収入にはなっています。
AXISフォントの使用例については『MacPower3月号』(2005年2月18日発売)に掲載される予定ですので是非ご覧ください。
●常用漢字すべてを含んだ試用版無料フォントの反応はいかがですか。
試用版の登録ページを公開してから二年七ヶ月がたち、ダウンロード数は15,000を超えました。六割がWindowsユーザー、四割がMacユーザーです。正規登録していただいた方の数は、約11,000人です。
登録の際にコメントを書いていただく欄があるのですが、比較的好意的なものが多いです。批判的な意見も含め、何か書いてあるととても嬉しいですね。ウェブサイトなどでよく使って頂いているようです。
●サイト上の日記をみると、次の書体を制作されているようなのですが、
内容を少し教えて貰えませんか(笑)。
「AXISフォントに関連した書体」というところでご勘弁ください。
AXISフォントは、ウルトラライトという極細の太さを持っているというほかはデザイン上それほど特徴のある書体ではありません。
しかし、現在開発中の書体は、見た目にもインパクトのあるフォントです。今夏には発表できるかと思いますのでどうぞご期待ください。
●文字に興味を持たれたのは、いつ頃で何がきっかけだったのですか?
大学四年生のとき、文字関連のゼミに参加したのがきっかけです。
漢字の認識に関する研究と甲骨文字の研究でした。
●書体デザインをする際に心がけていることはありますか?
文字の声を聞くことです。
書体設計の準備段階が重要なのは言うまでもありませんが、いったん書体制作に入ってしまえば、あとはルーティンワークとの闘いです。
単なる「こなし仕事」にならないように、一字一字が発する声に耳を傾けることが大切だと思っています。
もちろん書体設計の基本方針にのっとったうえでのことですが、「オレの足はこんなに短くないぞ」とか「ワタシの腰はもうすこしくびれていたほうがいいんじゃない?」という文字のつぶやきを聞くよう心がけています。
●書体をデザインするには、どんな勉強とか才能が必要だと思われますか。
向き不向きはあるかもしれませんね。
才能は「好き」の延長に開くものではないでしょうか。
勉強も「好き」と「必要」に従うのがよいと思います。
●影響を受けた書体デザイナーを教えてください。
タイプデザインのアプローチについてはフランスのポルシェというタイプデザイナーから、タイプフェイスと向き合う姿勢は小林章さんから、書体デザイナーの身の処し方については佐藤豊さんから、それぞれ少なからぬ影響を受けています。
師匠の小塚昌彦氏から受けた薫陶は計りしれません。
●あ、こんなところで私の名を出すとは、お世辞上手ですね。削除せずにこのまま掲載します(笑)。
では、好きな総合書体は何ですか。
写研の紅蘭楷書です。屈指の名作だと思います。
●書体デザイン以外には、どんなお仕事をされていますか
ロゴタイプの仕事を年平均で4本くらいでしょうか。
二年まえからデザイン系の大学で書体関連のことを中心に教えています。
●どうもありがとうございました、これからもがんばってくださいね。
写研の紅蘭楷書サンプル(NET-DTPより)
http://www.net-dtp.com/kyounosyotaimihon/03.5.27/kyounosyotaimihon_03.5.27.html
タイププロジェクト
http://www.typeproject.com/
◆鈴木 功(すずきいさお)さんの略歴
1967年 名古屋生まれ
YAG亀島美術研究所を経て、
1991年 愛知県立芸術大学デザイン科卒業
1993年から2000年まで、タイプデザイナーとしてアドビシステムズ株式会社に勤務
2001年 タイププロジェクト設立
2001年9月 デザイン誌「AXIS」リニューアルのために制作されたAXISフォントを発表
2002年 ポーラ美術館サイン用書体をデザイン
今月12日からアニト-レリーフの頒布を開始しました。
落ち着いた丸ゴシック系書体のアニトを元に、立体的にデザインしました。
タイトルなど、重要で目立たせたい場面で大きく使うと効果的だと思います。
「レリーフ」とは浮き彫りのことです。「アウトラインシャドウ」というスタイルに似ていますが、微妙に違いますね。
このような立体的に見える文字装飾は、ワープロやお絵描きソフトなどの、フォントメニューにもありますし、グラフィック系ソフトをお使いでしたら、少し工夫すれば同じような効果を作れると思います。
しかし、最初からきちんとフォントになっていれば、やはり便利だろう…ということで作ってみたものです。
これまでの頒布フォントと同じように、字数制限された無料版と字数制限の無い商品版を用意いたしました。
アニト-レリーフ(サンプル画像)
http://www.type-labo.jp/GIF.IMAGE/Anitorelief.gif
サンプルPDF(L、M、等幅、レリーフの4ページ223k)
http://www.type-labo.jp/DATA/Anito.pdf
タイプラボ
http://www.type-labo.jp/
アニト無料頒布
http://www.type-labo.jp/Hanpuanitowaku.html
1980〜1990年代にタイプラボがデザインし、写真植字機用のフォントとして提供してきた5種類のかな書体が、先月下旬にモリサワからパソコン用フォントとして発売されました。
当社のかな書体の殆どは、現在フォントワークスから販売されていますが、写植時代からお付き合いのあったモリサワからも販売されることになったわけです。
モリサワの新ゴ・ファミリーや新丸ゴ・ファミリーの漢字と組み合わせて使う、それぞれが個性的な表情をもった「かなフォント」です。
5種のかな書体すべて、新ゴや新丸ゴに合わせて7つの太さが揃っています。
モリサワ、あるいはパソコン用ソフトショップや印刷機材販売会社などから、ご購入ください。
ハッピーN(サンプル画像)
http://www.type-labo.jp/GIF.IMAGE/Morisawahappy.gif
墨東N(サンプル画像)
http://www.type-labo.jp/GIF.IMAGE/Morisawabokutoh.gif
わんぱくゴシックN(サンプル画像)
http://www.type-labo.jp/GIF.IMAGE/Morisawawanpaku.gif
タイプラボN(サンプル画像)
http://www.type-labo.jp/GIF.IMAGE/MorisawaNTLG.gif
キャピーN(サンプル画像)
http://www.type-labo.jp/GIF.IMAGE/Morisawacapie.gif
タイプラボのオリジナルかな書体
http://www.type-labo.jp/Kanawaku.html
写真植字機(フリー百科事典『ウィキペディア 』より)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%99%E7%9C%9F%E6%A4%8D%E5%AD%97%E6%A9%9F
モリサワ
http://www.morisawa.co.jp/