パソコンで使う一般的なTureTypeフォントの基礎知識
人が1文字ずつ作るから、制作者のセンス・考え方・能力などの違いがフォントの表情に出て、「読みやすい・読みにくい」「美しい・美しくない」「カッコイイ・カッコワルイ」と感じるのです。
フォントは、文字の形を数式で表現したプログラム著作物ですので、音楽や文学の作品と同じように、著作権法で保護されています。1バイトフォント
256文字以内の字数で構成されたフォントのことです。
欧文の世界では256文字もあれば、ふつうに使用するほとんどの文字を表現できますから、欧文専用フォントのほとんどはこの形式で作られています。
作成が比較的簡単なため、この形式を利用して、ひらがなやカタカナ専用のカナフォントが1990年頃から作られ始めました。
しかし、欧文専用フォントと同じように、英数モードで、キーボードに記してある「カナ」を頼りに直接タイプしなければならず、使いづらいフォント形式です(最近では1バイト・カナフォント入力用の便利な支援ツールが色々あるようです)。
カナフォントのキー配列がわからない | |
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アップルメニューの「キー配列」で、使用したいフォントを指定すると配列がわかります。 そこに表示されている文字を直接クリックして入力することも可能です。 |
スタートメニューの「プログラム」→「アクセサリ」→「システムツール」→「文字コード表」で、使用したいフォントのキー配列がわかります。 そこに表示されている文字を直接クリックして入力することも可能です。 |
2バイトフォント
普通にパソコンで使っている日本語フォントはこの形式です。
日本語や中国語などのように必要な文字数が多く、256文字では足りない場合この形式になります。キーボードからの直接タイプだけでは、膨大な漢字を入力するのが困難ですから、文字変換機能などを使って入力します。
日本語パソコン用システムに搭載されている日本語フォントの殆どは、JIS(X 0208-1997)で定められた6879文字(漢字6355字)を使えるようになっています。
フォントの入手
パソコンのソフトショップやインターネット上で購入したり、フリーウエアやシェアウエアのものを雑誌の付録CDやインターネットから入手します。
ダウンロード(インターネットからフォントを入手する場合)
使いたいフォントのダウンロードページが見つかったら、そのフォントの圧縮されたデータファイルを、自分のパソコンにダウンロードします(登録や購入などの手続きが必要なフォントもあります)。
・最近のOSやWEBブラウザはセキュリティが強化されているため、警告が出てダウンロードや解凍ができないことがあります。それぞれのセキュリティ設定を変更して対処してください。
ダウンロードや解凍が終わったら、セキュリティ設定を元に戻しておくことを忘れずに…。
●ダウンロードの失敗
接続しているプロバイダーか、ダウンロード先の回線が混んでる事が原因の大半と考えられます。
ダウンロードがうまくいかない場合は、時間帯を変えてお試し下さい。
・一定時間経過後の回線自動切断を、接続機器やソフトで設定してあり、ダウンロード中に切断されてしまう失敗もあるようです。
・お使いのプロバイダ、もしくはブラウザの設定項目に、ダウンロード容量の制限があることも考えられます…。
解凍(展開)
圧縮されているファイルを、解凍(展開)ツールを使って解凍するとフォントファイルが現れます。
ダウンロード後、自動的に解凍(展開)される圧縮ファイルもあります。
作者のメッセージや使用上の注意などが記された書類も必ず読みましょう。
解凍(展開) | |
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通常は、圧縮ファイルをダブルクリックするか、右ボタンをクリックし、[開く]を選択すれば解凍されます。
Stuffit Expander がお薦めです。 以前は購入時にインストールされていましたが、OS X Tiger(10.4) から付属しなくなったようです。 一時期、OS X に付属していた Stuffit Expander 7.0.1は、不具合があるようですので、7.0.3 以上にアップグレードしてください。 |
通常は、圧縮ファイルをダブルクリックするか、右ボタンをクリックし、[すべて展開]を選択すれば解凍されます。 こちらの解凍入門講座も参考にしてください。 |
●解凍(展開)の失敗
「破損ファィル」と表示されるものも含め、ダウンロードが不完全な場合が多いようです。
最新の圧縮ソフトで作られたファイルは、古い解凍(展開)ソフトでは解凍できない場合があります。できるだけ最新の解凍ソフトを使用してください。
インストール
パソコンのシステムに正しくインストールしなければ、フォントは使えません。
こちらのサイトに画像付きで詳しく説明があります。
インストール方法 | |
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OS 9 以下の場合 ・使いたいフォントを、システムフォルダのアイコンにドラッグしてください。メッセージが現れたら、内容を確認したあと「OK」をクリックしてください。 ・自分でシステムフォルダを開き、その中のフォントフォルダにフォントを入れても構いません。 ・インストール後は再起動してください。 OS X の場合 ・OS 9 システムのフォントフォルダにインストールされたTrueTypeフォントは、HDの同じボリユーム内にあるOS X システムに自動的に認識され、そのままで新旧の両OSで使用することができます。 ・OS X 環境だけで使用したいフォントは、「Library」→「Fonts」フォルダ、または、「ホーム」→「Library」→「Fonts」フォルダにインストールしてください。 ・OS X 10.3以後では、フォントファイルをダブルクリックすると「Font Book」が起動し、フォントサンプルが表示されます。そこで「フォントをインストール」ボタンをクリックすれば、インストール完了です。 ・アプリケーション「Font Book」を使うと、フォントのインストール・プレビュー・検索・有効化・無効化など、さまざまなフォント管理ができます。
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・スタートメニュー→設定→コントロールパネル→(デスクトップの表示とテーマ)→フォントを開きます。 メニューの「ファイル」→「新しいフォントのインストール」、そこで自分がインストールしたいフォントファイルを選べばインストールされます。 ・または、フォントファイルを選択して「コピー」、スタートメニュー→設定→コントロールパネル→(デスクトップの表示とテーマ)→フォントを開き、そこで「貼り付け」すればインストールされます。 ・使いたいフォントファイルを「Windows」フォルダの中の「Fonts」フォルダにドラッグ(コピーまたは移動)してインストールすることもできます。
・Windows 7の場合(これは簡単) |
フォントが使えない!
●Windows環境では、以下のフォントトラブルが多いようです。
・ウィンドウ右上の、最大化や最小化ボタンが、数字やおかしな文字になってしまう。
・ドロップダウンリストの▼や、スクロールバーの矢印が、数字やおかしな文字になってしまう。
・アプリケーションで、選択できるフォントが減ってしまう。
・フォントをインストールできない。
・フォントをインストールしても、アプリケーションのフォントリストに反映されない。
・フォントが横向きになってしまう。
対処方法 | |
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フォントフォルダには128個までしかフォントファイル(スーツケース)を入れられません。 MacOS9 以降は512個まで大丈夫になりました。 |
Windowsファイル内のttfCacheファイルが壊れている可能性があります。 ・パソコンを一旦「Safe Mode」で起動してから、再起動させる。 これだけで解決する場合もあります。これでもダメな場合は、 ・パソコンを「Safe Mode」で立ち上げてから、ttfCacheファイルを削除して、再起動させる(「ttfCache」は隠しファイルです)。
もう少し詳しい対処法 |
バックアップの重要性
●バックアップとは、大切なデータをコピーして、別の記録媒体に保存することです。
パソコン内のデータは、ハードディスクドライブという装置に記録されていますが、ハードディスクは、とてもデリケートで壊れやすい装置です。
ダウンロードで入手したフォントや、あなたが作成したデータも、ハードディスクが壊れてしまったら、すべて消失してしまいます。
また、OSの不調やウイルスなどの影響で、ハードディスク内のデータが消失することもあります。パソコン内の大切なモノは、必ずバックアップする習慣をつけましょう。
アンチエイリアス
図形や画像などの輪郭をなめらかに表示させることを「アンチエイリアス」とか「スムージング」といいます。
パソコンに表示する文字にも「アンチエイリアス」をかけると、階段状のドットが無くなって文字がキレイに見えます。昔のパソコンやワープロは、ギザギザでガタガタの文字でしたね。
現在は画面表示技術が進歩し、アウトラインフォントも普及していますから、パソコン上の文字をなめらかに表示させることができます。
詳しいことは→ タイプラボ・フォントNEWS第44号
電子メールとフォント
メールソフトでは、使用するフォントを選べますが、電子メールは文字の形を送受信していません。「文字コード」と呼ばれる文字の番号をやりとりしているだけです。ですから、自分が気に入ったフォントを使ってメール文章を作成しても、送ったメールは受信側のメールソフトで指定されているフォントで表示されてしまいます。
HTML形式のメールでは、1文字ごとに色を付けたり大きさを変えたりフォントを指定したりして送信できますが、その指定したフォントが相手のパソコンに入っていないかぎり、同じフォントでは表示されません。
詳しいことは→ タイプラボ・フォントNEWS第45号
WEBページとフォント
WEBページ作成時にフォントを指定しても、WEBページを見てくれる人のパソコンに、そのフォントが入っていなければ、指定したフォントでは表示されません(Web
Fontsという技術を使用すれば可能ですが)。
ブログとかWEBページを見るためのアプリケーションソフトのことを、WEBブラウザといいます。
WEBブラウザは、フォントの種類や大きさを自由に設定できます。自分の好みのフォントや見やすいサイズを見つけましょう。
詳しいことは→ タイプラボ・フォントNEWS第46号
等幅フォントとプロポーショナルフォント
●等幅フォント(とうはばふぉんと)
字幅が固定されている欧文フォントのことを、等幅フォント(固定幅フォント)と呼びます。
文字の形にかかわらず、ある一定の文字幅ですべての文字がデザインされています。
「i」も「M」も他の文字も、同じ幅で表示されます。プログラミングの世界では多用されています。また、複数行で行末を揃えたいときには便利です。
【typewriter font】とか【monospace font】と、呼ばれることもあります。
●プロポーショナルフォント
文字ごとに字幅が異なる欧文フォントは、プロポーショナルフォント(proportional font)と呼ばれます。
文字の間が均等に感じるように、文字ごとに適切な字幅を与えて美しくデザインされています。
「i」などは狭く、「M」などは広く作られています。欧米の印刷物などでは普通プロポーショナルフォントが使われます。
詳しいことは→ タイプラボ・フォントNEWS第18号
機種依存文字と半角カタカナ
●パソコン(OS)には、それぞれ独特の文字があり、
自分のパソコンとは違う種類のパソコンでは、同じ文字が表示できないことがあります。つい使ってしまう電話のマークやハートマークなども機種依存文字です。無用なトラブルを引き起こさないために、電子メールやWEBページでは、できるだけ使用しないでおきましょう。
詳しいことは→ Internet Guide 機種依存文字
●使っていいことは何もないし、みんなに嫌われている半角カタカナ。機種依存文字と同じように、WEBページ作成や掲示板への書き込み、メールなどでは使わないほうがよいでしょう。
ムズカシイ話ですが一度は読んでくださいね→
なぜ半角カナは嫌われるのか
教育漢字
文部省によって告示された、小学校で習う漢字1006字の事です。最近、漢字の数を教育漢字1006字に制限した「教育漢字版」フォントを無料で配布するサイトがいくつか現れ始めました。
フォント周辺の言葉
●タイプフェイス Typeface
表示や印刷を前提にデザインされた書体。印刷書体などということもあります。必要とされる文章を組めるような文字セット(たとえばA〜Zまでとか、ア〜ンまでとか…)を、統一したイメージでデザインしたもの。
●フォント Font
上記のタイプフェイスを、実際に利用できる形にしたもの。
活字・写植文字盤(アナログ)、ストローク・ビットマップ・アウトライン(デジタル)、と技術の変化とともに主流となる形態も変わっていきます。
最近、パソコンの世界では「書体」の意味でフォントという言葉が使われています。
・下記のレタリングやロゴタイプまでを混同して、フォントと言う人もいますが、大きなマチガイです。
●レタリング Lettering
用途に応じて必要な文字だけデザインしたもの。デザインや印刷業界などでは、描き文字とも呼ばれています。
短期間で使用される場合が多いのですが、繰り返し使われたり、広範囲に使われる場合は、ロゴタイプ(下記参照)と呼ばれることもあります。
●ロゴタイプ・ロゴマーク Logotype・Logomark
会社名・商品名などの特定の文字だけを、ひとつにまとめてデザインしたもの。
宣伝効果や競合商品との区別化のために、個性的にデザインされることが多いようです。また、長期間・広範囲に使われることを考慮し、かなり丁寧に精緻化されることもあります。
・欧文活字印刷の世界で、使用頻度の高い文字綴りを、毎回1文字ずつ並べるのが面倒なので、何文字かを合成し、特別にひとつの活字に鋳造した「合字」が語源。