1968〜1975年に日本通信美術学園でレタリングを学んでいた頃の作品を紹介するページ
勉強中の生徒や卒業生が対象のコンテストが随時開催されていて、そこに出品したもの。
日美展* は年に1回、スタジオ紙上展* は年に4回開催されていた。
日美レタリング教室は夜間の通学部。基本科が週1で6ヶ月、研究科は週1で3ヶ月だった。
すべて課題があり、当時はパソコンなどないから紙の上に製図ペンや筆を使って手描きした。




1975 寝具店 35回スタジオ紙上展 
ふっくらと柔らかな布団のイメージで文字を描いてみた。




1975 美容院 35回スタジオ紙上展 
風になびく髪を表現したつもりだが「c」と「k」の交差した部分が「q」に見えてしまう欠陥あり…。




1975 高級毛皮店 35回スタジオ紙上展 金賞(23才) 
縦長の文字と字間を開けることで、高級感を出そうとした…。




1974 玩具店 33回スタジオ紙上展 銀賞(23才) 
幼い頃、木製の棒パーツをネジで組み合わせて遊ぶ玩具が家にあり、それで遊んだ記憶からこんなデザインになった。
のちに、ピノキオというカタカナ書体の元になった。ロゴ下の文字はゆたんぽん書体




1974 猫のイメージ 32回スタジオ紙上展 特選(23才) 
野良猫・室内猫(シャム?)・化け猫かな…。




1974 映画題名 33回スタジオ紙上展
これは下書きというか、出品前のテスト版。
実際の作品はカラーで、背景は茶系、いまスクリーントーンが貼られている文字の中には、青から緑のグラデーションとなっていた。




1974 ネクタイ専門店 34回スタジオ紙上展 スタジオ賞(23才)
スタジオ紙に掲載された、この画像しか残っていなかった。




1973 酒のイメージ 31回スタジオ紙上展 特選(22才)
日本酒・居酒屋の暖簾・ウイスキー瓶(当時流行っていたサントリーオールド)をイメージ。




1973 貴金属店 27回日美展
精密にカットされた宝石や金属の雰囲気を表現。




1973 高級紳士衣服店 ?回スタジオ紙上展 特選(21才) 
シンボルは「N」の文字を蝶ネクタイのイメージにしたもの。「NOBLE」こういうスタイルを手描きするのは大変だった。
小さな曲線部は、スプリングコンパスという特殊な製図器具を使っている。
文字が水辺に並ばず、すこし湾曲しているのは、記録したカメラとか印画紙のせい…。




1973 数字書体 ?回スタジオ紙上展(21才)
このスタイルでは数字しかデザインできなかった…のだな、多分。




1972 特別課題 26回日美展 マックスファクター賞(21才)
化粧品会社から出された課題。かなりエネルギーをかけて制作した。




1972 映画題名 23回スタジオ紙上展 スタジオ賞(20才)
SF映画なので、アンドロメダの文字は直線で未来風なイメージに、病原体は有機的な形に…。
よい状態の原図が残っておらず、これはスタジオ紙に掲載されたもの。




1972 鉄道路線名 26回日美展
この年に開業した国鉄(現在のJR)の路線名。「ひかりは西へ」というキャンペーンもあった。




1972 イベント 26回日美展 奨励賞(21才)
たくさんの要素を詰め込んでフェステバル感をだした。ちょっと可愛くなりすぎたかも…。




1972 映画題名 26回日美展(20才)
松本清張の小説が原作のサスペンス映画。




1971 映画題名 29回スタジオ紙上展 特選(19才)
エリザベス・テイラー、リチャード・バートンなどが出演した、エジプトが舞台の歴史映画。




1971 詩文 25回日美展
中原中也の有名な詩の一節だが、原文は「はためくを」なのに、無知な私が勝手に「の」を加えてしまった…失敗作。




1971 映画題名 25回日美展 特選
イタリアを舞台にした青春映画。主題歌の「Che vuole questa musica stasera」は、お笑い芸人ヒロシがBGMとして使っている。
内容など調べずに題名から勝手に想像して作ってしまった…。




1971 特別課題 25回日美展
この頃から、高級アパートやマンションなどが話題になりはじめた…。




1971 特別課題 25回日美展
みなさんご存知の総合電機会社の商標が課題だった。




1970 詩文 24回日美展 奨励賞(19才)
ほとんど下書きせず一気に描いた、書のようなレタリング。
線画の乱れなどは後から加えている。




 

1970〜1971 都市名 日美展
こういう課題もよくあったな…。「いわて」の文字は、泥臭くしようとクセを強くしすぎた感じ…。
この「TOKYO」のレタリングを元に、この後「Happy」という欧文書体を作った。




1970 冬季オリンピックポスター 24回日美展 特選(19才)
1972年に開催された札幌オリンピックのポスター。
「SAPPORO'72」の文字は、雪が積もったイメージでふんわりと丸くした。このロゴだけ掲載するつもりだったが見つからず、この画像を使用した。
上部の四角部分は蛍光ピンク、中にフィギュアスケート選手のシルエットを白抜きで入れた。
背景はグレー、文字はすべて白。4枚のシリーズで、他にスキージャンプ(四角部分は紺)・スキー滑降(四角部分は緑)・スピードスケート(四角部分は橙)を制作。
「11 Olympic Winter Games」の文字は、当時発売されたばかりの白いインスタントレタリングを使用。
ポスターなのに制作サイズはB5という小ささだった(全国から郵送応募という事情による規定)ので、全体のバランスとかうまく処理できなかった…。




1969 施設名 23回日美展 特選(18才)
いま見ると「太」の字が黒く強すぎ(太い)。そして「国」は白っぽく弱く感じる。




1969 書籍ポスター 日美レタリング教室研究科
基本科の修了制作だったかな。B2サイズのポスター。
全面に黒のポスターカラーを塗り、その上にレタリング。
「TYPOGRAPHY」の文字は、紙を切り抜いた型を作りスパッタリングという技法で、霧状の白い文字を角度を変えて重ねていった。




1969 三つ折り観光リーフレット 日美レタリング教室研究科
小さな文字もすべて手描き…。京都・歴史・建築・庭園の文字は、ちぎった色紙で描いた。
広告面の2点は、時間が無かったのか、かなり手を抜いている感じだ…。




1969 百貨店包装紙 日美レタリング教室研究科
合羽版(ステンシル)という技法で、いくつもの文字を抜き型にして塗り込んだのだと思う…。



1969 映画の新聞広告 日美レタリング教室研究科
人物写真以外は手描き。残っていた写真の品質が低く、タイトル文字以外はまともに見えない。でも、この文字は好きだな…。



 

1968 基本レタリング 不明(17才)
こういう明朝体やゴシック体もよく描いていた。
大雪原の「原」の文字は記録した写真のせいですこし歪んでいる。




1968 映画題名 スタジオ紙上展?(17才)
この掠れた感じを出すため、筆を使ってトイレットペーパーに描いた。




1968 映画題名 スタジオ紙上展?(17才)
質の悪い黄土色のボール紙を切り抜いて版画にし、迫力を出した。




1968 詩文 スタジオ紙上展?(17才)
わら半紙に火のついた線香で文字の形に穴を空け、その上からグレーの絵の具を霧状にしてふりかけ、下に置いた紙に文字を描いた。



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